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唐詩選より、妬みと殺人 -2 [稲門機械屋倶楽部]

                                       2010-08-30 WMR36 村尾鐵男

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劉廷芝 「代悲白頭翁」

洛陽城東桃李花 飛來飛去落誰家  洛陽女児惜顏色  行逢落花長歎息

今年花落顏色改  明年花開復誰在 已見松柏摧爲薪 更聞桑田變成海

古人無復洛城東   今人還對落花風   年年歳歳相似 歳歳年年人不同

寄言全盛紅顏子   白頭應憐半死翁   此翁白頭真可憐 伊昔紅顔美少年

公子王孫芳樹下  清歌妙舞落花前   光禄池臺開錦繍 將軍樓閣畫神仙

一朝臥病無相識  三春行樂在誰邉   宛轉蛾眉能幾時 須臾鶴髪亂如絲

但看古來歌舞地  惟有黄昏鳥雀悲  

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劉廷芝 「白頭を悲しむ翁に代わる」

〔洛陽城東 桃李の花、飛び來たり飛び去り 誰が家にか落ちん。

洛陽の女児 顏色を惜しみ、行き逢う落花に長歎息す。

今年 花落ち顏色を改め、明年 花開いて復(マ)た誰か在らん。

已(スデ)に見る 松柏摧(クダカ)れて薪と為(ナ)るを、更に聞く 桑田變じて海と成るを。

古人また洛城東に無く、今人また落花風に対す。

年年歳歳 花は相似たり、歳歳年年 人は同じからず。

言を寄す 全盛の紅顔子、應に憐れむべし 半死の白頭翁。

此の翁の白頭 真に憐むべし、伊(コレ)昔 紅顔の美少年。

公子王孫 芳樹の下、清歌妙舞 落花の前。

光禄池臺に錦繍を開き、將軍樓閣に神仙を畫く。

宛轉たる蛾眉 能く幾時ぞ、須臾(シュユ)にして鶴髪は亂れ絲のごとし。

ただ看る 古來歌舞の地、ただ黄昏 鳥雀の悲しむ有るのみ〕

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【年年歳歳花相似。歳歳年年人不同】は上記の三段目後半に詠われております。この「代悲白頭翁」に詠われる【此翁白頭真可憐  伊昔紅顏美少年 】 の部分もよく知られた詩で、紅顔の美少年もいつしか私自身のように憐れむべき状態になることを詠っております。

敢えて現代語訳を付けませんが、最後から三段目の「須臾(シュユ)」は僅かな短い期間を意味します。

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この劉廷芝による「代悲白頭翁」は唐詩選の数ある詩の中でも傑作中の傑作と言われる秀作でありますが、これが後に劉廷芝の悲劇を招きました。

(3)に続く


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