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再び中国海軍について -1  [稲門機械屋倶楽部]

                                         2010-08-21  WME36 村尾鐵男

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816日、米国国防総省が「中国の軍事動向」に関する年次報告書を公表し、中国海軍が異常な拡大を続け、今年中にも空母の建造に着手する危険性を指摘しました。先般、中国海軍(PLAN)について記しましたが、再度、中国海軍の現状について書き加えさせていただきます。

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【戦略的辺彊論】 

中国海軍が既に20年以上も前から採り入れている考え方で、国境や領海のはるか先であろうとも、武力で侵攻して確保した地域と海域は我が領土であり、資源は我が物との思い上がりも甚だしい理論です。

この「戦略的辺彊」に対するのが「地理的国境」で、私達が普遍的に受け入れている考え方です。国境を接する場合は国境線の内側を領土とし、海岸線から12海里までを領海とし、領土と領海の上空、大気が存在する高度までを領空とするのが世界共通の領土認識であり、世界の主要国が受け入れている国境概念であります。

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816日、米国国防総省が議会へ報告した「中国の軍事動向」でも、若干の柔らかい表現による中国への配慮が覗えるものの、中国海軍が掲げて堅持する「戦略的辺彊」論への警戒感を明らかにしています。

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「戦略的辺彊」論いついては、「軍事力が実効支配する国益に関わる地理的範囲」と中国自身が定義しており、さらに、「地理的国境」は国際的に承認され、確実で安定したものであると言い、一方で、「戦略的辺彊」は地理的国境、即ち、領土、領海、領空の制約を受けることなく、軍事力を主とする国家の力によって伸縮し、常に不安定であるとも言っております。

だからこそ、中国は「戦略的辺彊」を確保し維持するために軍事力の拡大に余念がなく、特に海軍力の拡大が最優先事項と考えています。

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では、中国海軍が見る「戦略的辺彊」とは何処か。わざわざ書き連ねる必要がないほどによく知られていますが、ヴェトナム、フィリッピン、マレーシア、インドネシア、台湾と領有権を争う南沙諸島と西沙諸島、台湾そのもの、日本の尖閣諸島と沖縄県に所属する数々の小島、いずれも隙あらば奪わんと虎視眈々です。

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「戦略的辺彊」論は昨年も同じような趣旨で唱えられており、中国の領土と領海の拡張に向けた確固たる戦略になっているように見えますが、軍事力で他国の領土や島々を奪うことに他ならず、そのためには強大な海軍力が必要でありますから、他国が何と言おうが、ただただ海軍の増強に突き進んでいます。しかし、如何に理論武装をしようとも、「戦略的辺彊」論は他人の領土を不法に奪うことには変わりがなく、まさに強盗国家であり、強盗海軍であります。ですから、日本が自分の領土であると確信する尖閣、竹島、沖の鳥島、その他の無人島を空き家のままにしてはなりません。

(2)に続く


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