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中国空軍新型戦闘機 殲(J)10型 -2 [稲門機械屋倶楽部]

                                                    2010-05-01 MEW36 村尾鐵男

艦上戦闘機は、言うまでもなく、海軍に属して航空母艦と共に運用される戦闘機でF-14が典型的な機種で、空軍が運用する制空戦闘機とほぼ同等の性能と目的を持ち、特に空母に搭載されて随所に現れますので、攻撃を受ける側から見れば極めて怖い存在となり、米国の空母艦隊が絶大な抑止力を発揮するのも、この怖ろしさに依ります。

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中国の航空産業、特に軍用機の開発状況は公表されておらず、たまに公表されると誇大宣伝の色彩濃厚であって、正しい情報を得るのが極めて難しい現実があります。

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話題となっている〔殲型 J-10〕戦闘機は新聞報道で見る限り、米国製F-16戦闘機に相当する機種のようであり、従って、戦術戦闘機の部類に属すると推察されますF-16の名が初めて聞かれたのは1972年であり、米国の同盟国ではあっても高価な軍備を持つことのできない国々の主力制空戦闘機として開発された経緯があり、軽量小型でありながら、強力なエンジンと最新鋭電子機器を装備したF-16は各国の戦闘機として配備され、その優れた運動性能から戦術戦闘機としても採用されました

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〔殲型 J-10〕戦闘機の性能諸元が不明でありますが、F-16に対抗する機種のようですから、米国に遅れること40年ほどで中国もようやくこの種の飛行機の開発が可能になったと思われます。

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中国の軍用機開発と製造はソ連の技術によって支えられておりましたが、1959年の中ソ対立で、中国に派遣されていたロシア人航空技術者が貴重な技術資料と共に総て引き揚げてしまい、中国の航空産業は苦境に陥りました。

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ところが、この隙間に踏み込んだのがイスラエルのIAI(Israel Aircraft Industry)でした。アラブ諸国と近い関係にある中国は、本来ならイスラエルにとっては好ましい存在ではないはずですが、地理的には遠く離れて直接の利害関係がないので、IAIは商売相手の一つとして中国に食い込んだと伝えられました。ところが、米国がイスラエルに供与した航空関係技術がIAIを介して中国へ流出し、米国とイスラエルとの関係が悪化することもありました。

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米国がF-16を実用化する少し前の1971年、イスラエルのIAIはクフィール(Kfir)戦闘機を開発しました。このKfirはフランス製ミラージュ(Mirage)5型戦闘機のコピーであります。さらにこのクフィールを発展させて1986年にはラビ戦闘機が開発され、このラビはF-16に匹敵する軽量小型戦闘機でありました。

()に続


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