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風林火山と孫子と呉子 -1 [稲門機械屋倶楽部]

                                        2010-04-07 MEW36 村尾鐵男

「疾きこと風の如し、静かなること林の如く、侵すこと火の如く、動かざること山の如し」、これを「風林火山」の四文字で表わし、幟にも大書して戦場を疾駆した武田の騎馬軍団は日本人なら誰でも知っている故事です。しかし、この原文を御存知の方は意外に少ないのです。

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【其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山】

〔其の疾(ハヤ)きこと風の如く、其の徐(シズ)かなること林の如く、侵(オカ)し掠(ウバ)うは火の如く、動かざることは山の如し〕

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この言葉は兵法の祖と呼ばれる孫子よって語られました。どの兵法書にも必ず記されており、日本でも大勢の兵法者によって読まれ続けられ、現代にあっては経営の指南書にまで孫子の言葉が引用されております。

孫子、或いは孫武とも呼ばれ、孫子は孫武の尊称であります。孫子は古代中国の春秋時代に活躍した智謀の武将で、呉の国を振り出しに各地でその才を発揮しました。

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孫子の生年は明らかではありませんが、中国の春秋時代ですから、紀元前5世紀前後と考えられ、武田信玄の時代とは2000年の隔たりがあり、武田信玄をはじめとする武田の武将達も当然のことながら「孫子の兵法」を読み、「風林火山」はそこからの着想と推測されます。

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3年前にNHKの大河ドラマで「風林火山」が一年間に及んで放映されましたが、武田信玄とか山本勘助に「風林火山」が孫子の兵法に由来すると一言も言わせなかったのは、中国大好きのNHKには想像もできないことで、まことに不思議でした。

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この孫子を語るときに必ず付言されることがあります。それは「武」の文字が「戈を止める」を意味することです。干戈(カンカ:タテとホコ)を交えることが戦うことであり、攻撃兵器である戈を食い止めるのが干でありますが、それが武であると言います。

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【兵者國之大事。死生之地、存亡之道、不可不察也】

〔兵は国の大事。死生の地、存亡の道、察せざるべからず〕

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(戦いは国の大事である、国民の死生存亡に関わることは、最もよく考えなくてはならない)

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望外の政権交代で思慮無く舞い上がった政権が、我が国の最重要基地を移転させようと弄ぶ現状は怜悧な孫子が聞いたら何と言うか。背筋に冷たいものを感じます。政権首脳は中国贔屓のようですが、孫子を紐解くこともせず、上辺だけの中国好きがただ集っているようです。

(2)に続く


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ぼくあずさ

学問的な知識はありませんが、文庫本20冊ほどを購入しました。他社との開発競争時の必携書、実用的な価値があります。
by ぼくあずさ (2010-04-07 07:25) 

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