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萩の刺身 [明治維新胎動の地、萩]

                                           ・・・・・by N.Hori 2009/09/21  親父が萩近郊の出身だったので、新鮮な刺身以外は、食べたがらずに、私の子供時代、我が家では、刺身をほとんど食べたことがありませんでした。刺身は、生の魚を短冊形に切って、わさびと醤油を付けて食べるだけですから、新鮮さの違い以外に味の差は少ないと思っていました 

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高校から大学時代の春、夏休みに毎年のように親父の実家へ遊びに行くようになったら、小さな魚でも刺身にして、ほかにおかずが出ないので、刺身とはこのようなものだと思って食べていました。しかし、相変わらず、我が家では刺身はめったに食べませんので、味の違いが分かりませんでした 

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しかし、ある時、萩からの帰途、翌日に瀬戸内のそれなりの宿で刺身を食べたのですが、味の違いにびっくりしました。萩近海は日本海側で、黒潮の暖流が入り込んでいるキレイな環境が魚類の成育に影響し、刺身を旨くしているのかもしれません。親父が東京で刺身を食べたがらない理由も分かったような気がしましたが、私は、うまく解凍した冷凍マグロの刺身はそれなりに美味しいと思っています 

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その後、仕事で年間10回ぐらい萩に来るようになったら、仕事にかこつけて、萩に何度も来たがる人は、歴史(風土)、萩焼、刺身の3つに関心を持っていることに気がつきました 

今回は、まず、刺身について書きます。広域萩市に入った須佐町に「美志満屋」と言う活魚割烹店http://www.sanjo.co.jp/useful/misima.html があり、「大きな活き造りの舟」で、鯛、烏賊、雲丹、あわび、さざえなどの新鮮で美味い刺身を腹一杯食べさせてくれます。ご主人は、萩の沖合いの見島出身ですので、見島風の食べ方なのだと思います 

案内した都会人は、他所ではこのような体験がちょっと出来ませんので人気があり、何度も来たがります。萩地方では、刺身を甘味のもろみ醤油で食べますが、関東圏の人は、これを好まず、関東の刺身醤油を持参して食べます。ちなみに、わさびも醤油に溶かずに、小さい塊を箸で取って、刺身に載せて食べる流儀にこだわる人もいます。この流儀は、池波正太郎さんの「男の作法」にも書かれています。


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コメント 3

村尾鐵男

萩の刺身、N.Horiさんの懐旧には萩の刺身の香りも漂います。
私は戦中戦後の数年間、四国香川県の海辺に疎開しており、瀬戸内海で獲れる魚で育ちました。でも、御存知の通り、瀬戸内海の魚は小魚が主で、大きな魚がいません。
東京生まれで東京育ちの母は、「切り身の魚が食べたい」とよく言っていました。切り身にしなくては食べられない大きな魚が食べたいとの意ですが、日本海の魚は美味いとの定評があっても、当時の運送事情では叶わぬ話でした。
N.HORIさんの〈萩〉、この先どのように展開するか楽しみですが、途中で駄文を挟んでしまい、お邪魔をしました。
by 村尾鐵男 (2009-09-23 08:30) 

ぼくあずさ

N.Horiさん
青春の楽しい想い出と共に食べる萩の刺身の味は格別でしょう。
回遊魚の他に磯で獲れる魚貝も美味しそうですね。我家の食卓には偶に萩の瀬付アジの一夜干しが上がります。
by ぼくあずさ (2009-09-23 22:34) 

ぼくあずさ


大安には決まって刺身が届きました。棟上式の施主さんから材木屋への贈物です。物不足の時代でしたが、マグロの刺身は受験勉強時の夜食でした。N.Horiさんには軽蔑されそうですが、少し表面が乾いたマグロの赤身の味は最上でした。昨年暮れの築地中央市場散歩会の際、中学時代のクラスメイトの福田君のマグロ店で買求めた中トロ・赤味を食した後は、市販の刺身は食べられません。
父は駿府城近くでの生まれ育ちですが、天秤で担いだシラウオ売りを懐かしげに母に語ったそうです。

by ぼくあずさ (2010-01-26 14:24) 

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