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自動車産業に無縁の者による自動車のEV化に関する一考(1) [稲門機械屋倶楽部]

                                                             ・・・・・平成2172日 村尾鐵男

自動車保有数の今後の伸び

日本自動車工業会の調べによると、2007年末の世界の自動車保有数は948,644,101台であり、これは四輪以上の自動車のみの数値であるから、三輪車や登録されることのない軍用等の特殊車輌を加えれば、概数として10億台であり、一方、中国、インド、南米諸国、アフリカでの今後の旺盛な需要を考えると、10年後には20億台になると予測されます。その間、現有車の三分の一が廃棄されるとすれば、今後10年間の新たな需要は17億台ほどとなります。 

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日本に於ける自動車製造の規模

2007年の一年間、二輪車を除く日本の自動車生産数は11,563,629台、凡そ1,156万台であり、一方、自動車製造に関連する事業に従事する者の数は概ね515万人であります。  

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この内、自動車製造に直接関る者の数は、自動車労連参加者の78万人であるとし、叉、一年間の一人当り実労働時間を1,830時間とすれば、自動車製造に投入される総労働時間は143千万工数であり、一台の自動車の製造に平均的に124工数(Man hours)を要していることになります。自動車産業に於ける工数単価が10,000円とし、労務費と材料費が半々と仮定すれば、一台80万円台の軽自動車から数千万円の大型バスまでの平均値として、一台を製造するに要する124工数は当らずも遠からずの数値として頷けるものであります。 

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米国に於ける自動車製造の規模

一方、米国では2007年に1,078万台を製造しておりますが、全米自動車労組(UAW)の加盟員の数は600万であり、同様の試算を行うと、各種自動車1台当りに^要する平均製造工数は1,019となり、米国の自動車生産が如何に効率の悪い方式を採っているかを物語ります。  

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もっとも、UAW加盟員全員が常時製造現場で働いているのはなく、レイオフされても賃金の8割が支給されるとの情報もあって、精度の高い比較ではありません。しかし、米国の自動車製造設備は日本に較べて古く、特に生産ラインの自動化、或いは無人化でかなり遅れていることはよく知られた事実であります。

(2)に続く


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コメント 1

ぼくあずさ

村尾さん
拝読しました。ありがとうございました。
これぞ、貴兄ならではの説得力のある記事に脱帽しました。
私自身も、EVについて何か書かなくてはと思いながら、正直な処歯が立たないのが現実です。

新聞に、松山市のタクシー会社(所有台数30)が三菱のEVを15台ほど導入すると書かれていました。当面は電力会社とタクシー業界が採用して、運転実績を積んで欲しいと思います。

by ぼくあずさ (2009-08-16 06:21) 

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