Familie Gwdichte ぼくあずさ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｂｙ　ぼくあずさ
私は田端新町の材木商の次男に生まれた。言葉を覚え始めた幼年期、名前を呼ばれると

「僕は僕だ。」と答えたそうです。それで材木屋のぼくちゃんが通用することになる。

縁故疎開先の増戸村では野崎さんの坊やと呼ばれました。

子供の頃の私の遊び場は秋川と新川の日の丸プールでした。

秋川へは海棠から急な崖路を下ります。上流から上宿下・鎌渕下・町元下・中宿下が

あります。何時も利用するのは町元下と釜渕下でした。

町元下は曾祖母杉浦スミさんの世話役の永井町奉行の家の下、大本家野嵜と共に四大名家

の大福（屋号釜屋）下です。

秋川は大水の時を除けば綺麗な清流が岩場は水深のある淵と浅い瀬が蛇行する川の両岸に
ある。瀬とその近くは小石の川底と川原。

町元下からの崖路は危険なハケ（穿け？）があるが本家から近くしかも2か所の岩場が

あり水浴びには絶好の場所でした。瀬では按摩釣りをした。餌を付けない針の付いた

テングㇲを竿の先に付け、流れの上下にリズミカルに流すのです。

冬場は背でカジッカ突きをした。川底の小石を剥ぐとタマゴを見つけられることも

ありました。