以馬上得之、寧可以馬上治之乎 [稲門機械屋倶楽部]
WME36 村尾鐵男
少々難しい漢文が続いて恐縮ですが、お付き合い下さい。
以馬上得之、寧可以馬上治之乎。
馬上を以て之を得るも、寧(イズク)んぞ馬上を以て之を治むべけんや。
少々長い文章の一節で、「之(コレ)」とは政権のことです。又、「馬上」とは武力を意味します。紀元前二世紀、漢の高祖を儒臣の陸賈(リク・カ)が諭した言葉です。
「政権は武力で獲ることができるが、武力で国を治めることはできない」との意味です。
今の中国共産党政権は、毛沢東が武力で簒奪したものですが、武力で治め続けてもいます。中国の古代より、禅譲で政権が移行する例は稀で、大半の政権が武力で奪取したものです。従って、現在の中国もその一つですが、政権交代のルールがありません。武力で得た政権は、必然的に武力で統治する独裁政権となるので、政権交代の方法を知らず、自分も武力で政権を奪取したので、自分の政権もいつかは武力で倒されるだろうと想像し、倒されまいとして武力統治を過酷にし、ライヴァルの芽は早々に刈り取ってしまいます。
荒れ狂った反日デモが急速に終焉しました。おそらく、デモの中に毛沢東の肖像画が現れたときが、デモを抑える転機と現中国政権は考えたのでしょう。毛沢東主義者にとって、共産主義貴族と化した政権首脳は倒すに値する標的です。ですから、反日から毛沢東を信奉する反政府デモへと移行することが現政権には最も警戒すべきことです。
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