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緊急投稿:鰻の値上がり [稲門機械屋倶楽部]

                              2012-03-23 WME36 村尾鐵男

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 航空関係の技術者として務めた私が、定年退職の前年、今から十五年前に関連会社で貴重な体験をしました。それは最初で最後の中国からの活きた鰻の輸入です。当時、最上の鰻が1キロ当りの卸し価格が3,500円、普通の鰻が2,500円でした。

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 昨夕の読売新聞夕刊で、現在の鰻の価格がキロ当り4,200円で、昨年同期の2,400円に対して1.7倍に値上がりしていると報じています。この価格は鰻の卸し元から、街の鰻丼屋が仕入れる価格とのことです。

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 さて、鰻をキロ当りで言われても判り難いのですが、鰻丼や蒲焼となる活きた鰻は、1キロ当り三尾か四尾の大きさを最上とします。鰻はこれより大きくても小さくても鰻丼や蒲焼には不向きです。

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 今、1キロ、即ち、四尾の鰻が4,200円であるとすれば、1尾の鰻が1,050円となります。街の鰻屋では1尾の鰻を開いて頭と骨と尾を捨て、身のところだけを蒲焼状に調理して客に供しますが、炊飯や吸い物や漬物も付けて、今は2,000円から2,500円ほどとなります。一般的に、食べ物屋は材料の倍で売るのですから、原料の鰻が値上がりすれば、鰻丼や鰻重の値上がりは避けられません。

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 鰻の値上がりは、稚魚のシラスの不漁に依ります。鰻は世界中におりますが、私達が日本の食文化として好む蒲焼は日本特有種のジャポニカ(Anguilla Japonica)種に限り、他の種は日本人の舌には合いません。因みに、鰻は18種が生息しており、食用になるのはヨーロッパ系のアンギラ(Anguilla-annguilla)種とアメリカ系のロストラータ(Anguilla Rostrata)種ですが、ジャポニカ種の味からは程遠いものです。

最近はこのヨーロッパ系アンギラ種のシラスが主としてフランスから中国へ輸出され、それを育てて日本へ輸出されようとしています。中華料理の鰻を食べたことがあるでしょうか。鰻を割かずに丸切りにして煮込みます。とても日本人が味わえるものではありません。

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 最初で最後の鰻輸入で驚かされたことがあります。輸送中の酸素不足等で死んだ鰻だけを引き取る業者がおり、この死んだ鰻も蒲焼にされて、スーパー等で1尾の蒲焼が細長い発泡ステイローロのトレイに載せられて400円とか500円で売られています。


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ぼくあずさ

食用不適の牛肉を承知で購入していた焼き肉屋など、
格別に安い店は要注意ですね。
by ぼくあずさ (2012-03-23 19:22) 

村尾鐵男

ぼくあずさ氏が指摘される通りです。
今朝、近くのスーパーで、中国から輸入された1尾分の冷凍蒲焼が1,400円でした。鰻高騰の今、1000円以下の蒲焼を買うことはお勧めできません。
by 村尾鐵男 (2012-03-23 20:41) 

ぼくあずさ

夕食はは生協で買求めた抗生物質を使わない国産鰻でした。
暫く止め様ということになりました。中国鰻は食したことはありません。
by ぼくあずさ (2012-03-24 11:45) 

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