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日本の危機の記事 1  「人口・急坂転げ始めた日本」(2012/01/16・産経) [明治維新胎動の地、萩]

                                                    by  N.Hori

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日本の危機の記事を随時、紹介して、注意を喚起したいと思います。

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厚労省の推計によると昨年の年間出生数は105万7千人で、過去最低を更新する見込み。出生数は05年に106万2530人で底を打った後、06~08年は109万人前後に盛り返し、09、10年は107万人台だ。06~08年は少子化の大きな流れにおける特殊な時期だったようだ。

30代後半に差し掛かった団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が駆け込み出産したことが大きかった。つまり、第1次、第2次ベビーブームに比べて極端に小さい第3次ベビーブームが終わったということである。

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今回の105万人台の過去最低の更新を考えると、いよいよ出生数が激減への急坂を転げ始めたということであろう。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の予測では、出生数は2055年に45万7千人、2105年に23万7千人まで減る。

団塊ジュニアが出産適齢期を外れれば、出産可能な女性数は急速に減る。25~39歳の女性数は現在約1200万人だが、2030年には899万人になり、2055年には現在の半分以下の593万人まで落ち込むとの予測もある。今後、出生率は多少改善しも、出生数減少に歯止めをかけることは難しい。少子化にとって厳しいデータが続いている。

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厚労省の推計では、昨年の婚姻件数も過去最低の67万件となる見込みだ。日本は婚外子の割合が低いので、婚姻件数の落ち込みは出生数減少に直結する。逆に言えば、「結婚すれば子供が生まれる」が常識だったが、社人研が昨年10月に発表した「出生動向基本調査」ではでは、夫婦が生涯にもうける子供の平均人数は10年で1.96人、初めて2人を下回った。

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さらに深刻なのが社人研の昨年11月の独身者調査である。「彼女がいない」18~34歳の未婚男性は61.4%に及んだ。「彼氏のいない女性も49.5%で、いずれも過去最高だ。

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夫婦の子供数や結婚前の出会いにまで、大きな変化が表れ始めていることを認識しなければならない。背景には、不安定な若年雇用や、出産・結婚に対する価値観が変わったことなど多くの理由があるだろう。

だが、社人研の調査では9割弱が結婚するつもりで、平均2人以上の子供を欲しいとも考えている。結婚や出産は個人の判断で、強要されるものではない。しかし、「出会いが少ない」、「結婚したいけどできない」、「子供が欲しいのにつくれない」の事例が珍しくない。

こうした人たちを妨げている要因を取り除いていくことは必要であろう。少子化は待ってはくれない。結婚支援策を含めたあらゆる社会の活動や政策も講じなければ、出生数減少の速度を緩めることすらできない

(論説委員記事)


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あゆさこ

 「子どもは欲しくても、今のご時世、塾代やら何やらで出費がかかりすぎて、何人も産めないよね。」と、同僚と話になっていました。今からの若い世代の人たちは、大変だなぁと思います。
by あゆさこ (2012-02-11 03:21) 

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