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再びケインズとハイエク -2/2   [サンアントニオ短信]

                                                                           大嶋 邦夫

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このポテムキン記事の真の目的はオバマのケインズ政策批判にあります。 ばら撒き景気刺激策では失業率が下がらない。 ”グリーン“政策の目玉のSolyndra(太陽発電会社)は倒産。 筆者ハイエクを引用していませんが、ハイエクは世の中に完全な知識というものは存在せず、中央政府が市場を操れるほど賢くないと考えました。 

一方ケインズは政府が市場の欠陥を正せると思った。 

まさしく、今世界はケインズに傾倒しています。 どちらの考えが正しいか、歴史が判断するでしょう。

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私はハイエク支持ですが、先進国では事はそう簡単ではありません。 

これは先の隣人との論争点でもあります。 低成長下で既得権益を持つ層が多くなれば、すなわち官僚組織、官公労組、農業、電力会社のような独占企業、そして年金に頼る老年層などが増え社会はますます硬直化します。 

既得権を離すくらいなら国がつぶれても良いと考えるギリシャがその良い例です。 そこでは、大きな政府、ケインズ政策しか受けいれることはできません。

そして結果として財政破綻のシナリオです。

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先進国の中でも人口増があって日欧に比べて多少硬直度が低い米国の復活、そこでのハイエクへの傾斜を期待したいところですが、Occupy Wall Streetの動きに見られるようの若年層が苦しんでいる中ではケインズ政策にも頼らざるを得ないでしょう。 それでは、財政赤字の解決をどうするか、これも先延ばしでしょうか。 世の中には頭脳明晰な人がいる筈ですが、何とかケインズ、ハイエクを凌ぐ考えを示して欲しいものです。 

質素な生活、Simple Life, Minimalist Lifeに戻るのも一つの考えですが、便利な生活に毒され惰性に流される先進国の住民には無理でしょう。


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村尾鐵男

このようなことを言うと、笑い者にされること間違いなしですが、勇気を出して言わせていただきます。
最近、経済学を少し過大評価してはいなでしょうか。諸説入り乱れて経済を論じていますが、現状分析で的中するもの、対応策で的中するもの、それほど多くは無く、的中したとしても高々70点か80点が率直なところでしょう。
日本の場合、経済運営は今に始まったことではなく、江戸時代に既に経済運営は行われていました。江戸時代と現代では時代条件が違うと言えばそれまでですが、そこに多数の国民の生活があったことは事実で、今と変わりません。
経済を、その実体以上に複雑化して考えていないでしょうか。経済とは人の営みです。私たちの営みは意外と単純なものです。もっと経済学は単純化すべきではないでしょうか。何事も複雑化するほど故障や不具合が生じ易いものです。思考も同じです。
by 村尾鐵男 (2011-11-10 08:44) 

 大嶋

全く同感です。 経済活動には人間が深く関与。 その動きの予測が難しい。 また、ハイエクが中央政府の経済政策が旨く機能しないのは、その予測のための知識は何時も不完全と言っていること。
経済学、複雑な数式を駆使してモデル化しても、必ず予測できない要因があるということでしょうか。 今回の3.11もそうですが。 
by 大嶋 (2011-11-10 12:50) 

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