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福島第一原発事故で思うこと -4/6 [稲門機械屋倶楽部]

                                                  2011-07-28 WME36 村尾鐵男

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平衡感覚(Sense of Proportion)の欠如

福島第一原子力発電所の損壊によって漏洩した放射線で相馬をはじめとする周辺住民に多大な影響を及ぼした結果、政府、特に総理大臣が慌てふためいて他の原子力発電所を停止させ、法に定めのない過剰な点検と試験を課し、原子力発電を廃止して怪しげなエネルギー源に頼る独断的な方策を個人的な見解として口走り、さらに民間会社である東京電力の解体、それに代わる国営化、発電と送電の分離と、閣僚間はもとより国会でも議論になっていないことを仄めかし始めています。

ここに至ると、平衡感覚(Sense of Proportion)の欠如は明らかです。孔孟の教えでは「信なくば立たず」ですが、今の政治家は漢籍を読んでいないので、孔孟の教えは通じません。でも、西洋式の政治家資質論に従えば、政治家には「平衡感覚」が欠くべからざる資質です。

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一つのことしか見えず、一つのことしか出来ない

現首相にリーダーシップがないとはかなり前からの論評ですが、平衡感覚を持ち合わせていないので、常に一つことしか見えず、一つのことしか出来ません。たまに二つ目のことに手を着けると、これが単なる思い着きに過ぎないものとのなり、先に手を着けたことは忘れられます。

菅政権の下ではTPP参加の可否、沖縄普天間基地の移設、少子化対策、税と年金の改革、尖閣と竹島と北方領土の問題、一票格差の是正、総てが忘れられたか置き去りになっています。

震災の復旧は最も優先度の高いことですから、これを放置したり、優先度を下げたりすることは出来ません。しかし、国家の運営はそれだけで済むはずはなく、常に八方に目を配ることが欠かせません。しかし、現政権にはそれができません。

それどころか、東京電力が向う脛に傷を作ったことを幸いとして、首相菅直人は東京電力を責めることで己の存在感を強めようと策している節が覗えます。


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