ビルマ行 -3/9 [和田の泊りより]
.by 月川善雄
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通貨使用の記録紙は闇ドルの売買を防止するためのもので入国時に申請した金額と国内で使用した金額の差額を出国時に持っていないと処罰されることになっており、ホテルなどの認可された両替商でドルを現地通貨のチャットに交換する際にはこの用紙に記入してもらい署名捺印して貰う仕組みになっていた。
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宿はラングーン市内に二軒しかないホテルの一つインヤレーク湖畔にあるインヤレークホテルに投宿した。このホテルは旧ソ連の手で建設されたと聞いたがいかにもソ連らしい馬鹿でかい造りの建物で チェックインして部屋に入り直ぐにシャワーを浴びようと思ってバスルームに行き赤の蛇口を捻って湯の出るのを待っていたのだが幾ら待っても水しか出ない。仕方がないのでこの国では湯は出ないのかと諦めたが、あとで降旗さんに聞くと「出ますよ、逆の蛇口を捻ったんじゃありませんか」との答え。部屋に帰って今度は試しに青の蛇口を捻ると確かに湯が出て来た。赤は湯、青は水と言う単純な発想では駄目だなと反省したがしかしそれ以後何処の世界に行ってもこのような表示には出くわしたことはない。
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出発前に現地ではトイレットペーパーも無いから持って行った方がよいとアドバイスされたが何とかなるだろうと思って準備もしなかったのだが結果としてチャンとあったのでこれは問題無かった。
又室内の湿気が酷いので除湿しようと思って冷房を効かすと今度は寒すぎて寝られなかった。ビルマのような国になると外の湿度が高い為冷房すると窓の外側に露が付いてガラスが曇ってしまい外が見えなくなってしまうのだがこればかりはワイパーでも付けない限りどうしようもない。
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翌日、ラングーン駅の傍にあるビルマ国鉄に出掛けた。まず総裁の事務室に挨拶に赴き今回の引き合いに対し謝意を表し まあお座りということで紅茶が出る。ビルマ流の紅茶の供し方は茶碗になみなみと注いで受け皿に溢れるまで入れる。これに対し客はまず受け皿のほうから飲むのが礼儀。つまり溢れるほどのおもてなしに与り有難うございますという感謝の意の表示である。丁度枡酒を注ぐときにオーバーフローさせるのと同じノリ。これに類するマナーはあちこちにあり韓国ではもてなす際の皿数が多くないと客に失礼になる、また中国系では綺麗に食べてしまってはまだ食い足りないの表示となってご馳走をしてくれた人に失礼になるので食べ残しかつまた満腹の意を表するためにゲップをしなければならない等々。どうも根本に貧しさがあるような気がする。
月川さん。 紅茶の件で私の経験。 英国であふれた紅茶を受け皿からカップの中に戻して飲んでいるのを何度も見て、私もそのまねをしましたが、貧乏くさいからやめろと家内からたしなめられ今はやっていません。
by 大嶋 (2011-07-15 03:11)