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日本の外交雑感 -3/4 [和田の泊りより]

                                 .by 月川善雄

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最近、「外交敗戦」と言うタイトルに二つ出会いました。一つはNHK前ワシントン支局長手嶋竜一氏の書いた本で湾岸戦争の時に“血を流さないのなら、金を出せ”と言われて金を拠出したはなしです。もう一つはNHKスペシャルで「日本人は何故戦争に向ったのか」で国際連盟を脱退した前後の話です。国際連盟脱退などということは、お上以下誰もがやってはならぬと思っており松岡洋右自身もあってはならぬと思っていたのが結果としては日本が脱退すると言えば世界中が吃驚して日本の言うことを認めるだろうと言う事で切り札として切ったのが誰も相手にしない。ドイツとの枢軸関係もイギリスが反対してくれるだろうと考えていたのがこれも当てが外れる、すべて自分に都合のよい考えを他人も持っているだろうと言う前提に立っているのです。他人は自分とは違う考え方をするものだと言う意識が欠けています。

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アメリカに居て感じた事なのですがアメリカ人は一寸した事をしてあげてもとても喜ぶ、こんなことで喜ぶとは普段お互いに何もして貰えない寂しい国民だなあと思っていたのですが、今思えばお互いに相手の事を慮って等と言う事は一切無しに何もしてやらない事が当たり前の国であれば当然の事で、それだけに小さな親切が嬉しいのだろう思い当りました。逆に日本ではやって呉れて当たり前、やらなければやれ不人情だ、やれ冷たいのと謗られてしまいます。ここ辺りにも日本人の甘えがチラつきます。

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それと外務省にも各国毎の専門家が殆ど居ないのではないか、逆にチャイナスクールなどと中国に洗脳されたグループがある。以前畠山さんに聞いた話で在外公館に勤務する連中の殆どが在勤中には殆ど仕事らしい仕事をせず、小金を溜めて帰国するのが多いとのことで現地の専門家になって情報収集に努めると言うような殊勝な人物は少ないのではないか。先日のロシア首相が北方領土を視察した際に情報が無かったと言う事で大騒ぎをして大使を更迭したが、これは大使の問題ではなく情報収集力の無さを反省すべきです。以前ロシアに関しては国会の鈴木宗男、外務省の佐藤優と言う専門屋がいたが外務省の「碌に仕事をやらない連中」に煙たがられ、詰らないことで起訴され現在は二人とも服役中ですがこういう貴重な情報源を大切にしないとこれも日本を滅ぼす原因になります。少なくとも相手が何を考えているか位は探っておかなければならない。以前は中近東に関する日本の情報は世界的にも認められていたのですが最近ではどうでしょうか。.

情報(インテリジェンス)と言うのは外交上不可欠のものですがこの点でも日本は後れをとっているのではないでしょうか。もっともその性格上公表するものでもないので私が知らないだけかもしれませんが、そうだとしても余り外交に生かされているとは思えない。逆に日本にいると情報は何でも手に入ると言われている。戦時中はスパイに気をつけろと言われたが、マスコミも含めて現在の日本ではマル秘情報でも何でも垂れ流しです。従って外交の相手にはこちらの考えが筒抜けです。


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