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電気の質と太陽光発電 無節操なソーラーパネル増設の問題点 4/8 [水・太陽・空気]

                                                                                    .by ewe

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 東日本の発電機は50Hzの周波数の電気を出すように回っていますが、負荷が重くなる(みんなが電気を使い、電気の需要が増える)と周波数は下がっていきます。周波数が50Hzという前提で作られた電気機器は周波数が下がり過ぎると、様々な不具合が生じます。たった0.2Hz程度の変動で一部の機器に影響があらわれます。

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 しかし恐ろしいのはそれだけではありません。数%の周波数の低下は発電機の軸を回しているタービンにも悪影響を及ぼします。タービン調速器が働き制御弁は全開、タービン翼共振や発電機軸ねじれを防ぐため、発電機を停止せざるを得なくなります。通常、東京電力管内の周波数は50±0.2Hz以内になるように制御されています。そこに負荷(需要)が重くなりすぎて周波数が下がり過ぎると、保護リレー装置であるUFR(不足周波数リレー)がその周波数低下を検知し、遮断器(ブレーカー)に動作信号を送って、遮断器を開くことによって負荷(需要)を軽くします。こうやって停電が起きるのです。これが連鎖的に起こると大規模停電になります。たとえば、48.XHzになった時にAKw負荷遮断(停電)、48.YHzになった時に加えてBKw負荷遮断(停電)というように連鎖的に停電が起こっていきます。これが原発が稼動できなくなることによって起こると恐れられていた大規模停電のメカニズムです。

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 一旦大規模停電が起きたら早急な回復は無理です。2003年の北米大停電の時は約丸2日かかりました。この時の停電の規模は6200kw、東京電力の夏総需要とほとんど同じです。この北米大停電で復旧にこれだけの時間がかかったのは、電力自由化で発電会社、送電会社、系統運用会社がすべて別会社であったことにもよります。すべてが一元化されてる日本の電力会社ならもっと早く復旧できたでしょう。

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 ですから停電や連鎖的大停電を生まない為に、電力会社は常に電気需要を予測して、複数の発電方法や発電所を統括、過不足が生じないように供給量をコントロールし、電気の安定供給に努めているのです。


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