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電気の質と太陽光発電 無節操なソーラーパネル増設の問題点 3/8 [水・太陽・空気]

                                                                                      .by ewe.

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 電気は原則、溜めることができません。ですから常に、発電電力量=消費電力量となるよう発電することが絶対条件です。それで、現実の生活での電気の使用量は、季節や時間帯によって変わります。その時々刻々と変化する消費者の電気の使用量に合わせて電力会社は常に発電量を調整しているのです。

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 一斉にみんなが電気を使いだす(需要増加)などで電気の流れが増すと,需要家側の電圧が低下(逆に流れが減ると電圧上昇)します。これは交流電力の送電に不可欠な無効電力(潤滑油的な性質の電力)がより多く消費されるためです。電圧が適切に維持できないと,需要家設備に悪影響を及ぼしたり,送電ロスが増すなど様々な弊害が発生します。このため,コンデンサによる無効電力供給や変圧器の調整により系統内の電圧を維持する必要があります。このように発電機と流通設備が一体となって需要家の電圧を維持するのです。

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 1987723日、東京電力管内で電圧安定性が原因で大規模停電発生しました。昼休み終了後、いきなり通常の2倍の速度(例年比)で電力需要が増加し、電圧が低下したのです。そのため系統の電圧を維持するためのコンデンサによる無効電力の供給が追いつけず,系統電圧が中央部の系統を中心に低下し、東京電力の約1/5の需要である817kwもの需要家が停電しました。停電したことにより結果として需要が減ったため,系統電圧は回復しましたが、その後なかなか安定な電圧とならなかったのです。

 このように交流の電力系統では,電圧の安定度の問題(発電機の回転の足並みの乱れ)によって送電能力に限度が生じるのです。

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 停電は電気が完全に来ない状態ですが(電圧が途絶えたのち1分程度以内に電圧が回復することを短時間停電といいます)、落雷等によって瞬間的に電圧が低下することが起きます。わずか2秒程度以下の短い時間、電圧が通常の90%程度以下に低下した場合を瞬低(瞬時電圧低下)といいます。瞬低は停電とは異なり,通常、一般家庭の家電製品等に支障を及ぼすことはありません。しかし,ほんの一瞬の電圧低下でも、街灯に使われてる水銀灯、工場の速度制御にサイリスタ等を使用している可変速モーターや電源回路にマグネットスイッチを使用しているモーター、コンピュータを利用したプロセス制御,ロボットなどのFA機器やOA機器などは誤作動や停止などの影響がでます。また、逆の電圧の上昇でも設備の寿命を縮めたり、破損することがあります。

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 2010128日、中部電力の四日市火力発電所で設備に不具合が生じ、三重、愛知、岐阜で電圧が約0.07秒間、最大で半分程度に下がりました。この瞬低により半導体工場や製油所、自動車工場などが操業に影響を受けたのです。

 
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