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電気の質と太陽光発電 無節操なソーラーパネル増設の問題点  2/6 [水・太陽・空気]

                                                                                    .by ewe

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☆電気の質☆

 さて最近「電気の質」という言葉を耳にします。牛肉や宝石の質ならわかりますが、電気に「質」とはどういうことでしょうか。「質」の良い電気とは安定供給を目的とし

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①周波数が一定

②電圧が一定

③高調波(ノイズ)含有が少ないということです。

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 そのために電力会社には、法律(電気事業法)で標準周波数については50Hz(東日本)または60Hz(西日本)と定められており、例えば東電管内の周波数は50±0.2Hz以内になるように制御されています。同様に、電圧については、供給電圧は101V±6V、及202V±20Vを超えないように一定範囲に維持する義務が課せられています。高調波については、「高調波抑制対策技術指針」(JEGA9702)が出されており、高圧または特別高圧で受電する需要家の高調波電流抑制の指針が示されています。

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☆電圧と周波数☆

 では、周波数が変動したり、電圧が変動したり、高調波があるとどのような不都合が生じるのでしょうか。

 家電製品の中には東日本用の50Hzの製品、西日本用に60Hzの製品と、分かれているものがあります。モーターやトランス、機器内蔵の電子タイマーなどを使用している家電製品は、周波数を基準に設計しているので、周波数が合っていないと動かなかったり、性能が落ちたりします。たとえば、関東で買った洗濯機(50Hz用)は引越し先の関西(60Hz地域)では使えなくなるのです(最近はヘルツフリー機器というマイコンやインバーターを搭載し50Hz60Hzどちらの周波数でも使えるものもあります)。

 車のバッテリーは12V。バッテリーが劣化すると車のエンジンが掛りにくくなります。そんなバッテリーは測ってみると12Vを欠けています。無理して乗っていると、ついにエンジンが掛らなくなるので交換します。

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 いつも使っている電気シェーバーを旅行先の外国で使おうとしたら使えなかったという経験をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。日本と外国では電圧が違うので、電圧を直す機械(変圧器)がないと使えないのです。このように電圧や周波数が異なると電気製品は壊れてしまったり、または動かないのです。50Hzと60Hz100V210Vのように極端に違わなくても、不都合は生じます。

 また、高調波は使用機器の効率を下げ、発熱や異音といった現象をもたらし、場合によっては高価な機材を破損させる場合もあります。


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村尾鐵男

私は航空会社で働いていましたが、新しい路線を開設するとき、その行き先がいわゆる開発途上国の場合は準備が大変です。
コンピューターによる予約システムが特に大変で、日本製を持ち込むときは電源の質を事前によく調べ、対応策を講じなくてはなりませんでした。
特に「周波数安定装置」は驚くほど高価で、秋葉原でも売っておらず、電装品工場で設計して製造しました。
日本製の家電や電子装置は電源の質が高いことを前提に製造されているので、開発途上国で使うときは予想外トラブルに見舞われます。
by 村尾鐵男 (2011-06-23 20:24) 

ぼくあずさ

村尾さん
私を含めた大半の日本人は質の良い電気が供給されるのに慣れ切っています。  FDではUPS(無停電電源装置)を製品化しています。ソーラーパネルが今以上に増加すると、各家庭に設備する必要があるかも知れません。正気の沙汰とは思えません。
15年ほど前に米国より分散化電源というキャッチフレーズで500KWガスタービン発電装置開発ブームが日本に伝搬して、トヨタを始めとする大企業が飛びつき、見本市まで開催されました。当然のこと、社内外から私は助言を求められました。私は500KWの自家発の運用が想像を越える手間暇がかかること、燃料費がタダでもペイしないと答えました。何時しかこのブームは消え去りました。5KWのソーラーパネル、まったくの論外です。どうしても自然エネルギーを活用したいのなら、今は流行っていませんが温水器がお薦めです。温空器も可能性はゼロではありません。勿論、原発の代替えなど出来る筈もありません。

by ぼくあずさ (2011-06-23 22:00) 

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