SSブログ

東日本大震災から五十日 -1/6 [稲門機械屋倶楽部]

                           2011-04 MWE36 村尾鐵男

.

 東北地方沿岸を襲った大地震と大津波から五十日が経ち、その間、福島第一原子力発電所の破損による放射線漏れも続き、世の中、何となく落ち着かず、政治も混迷と迷走の様相濃く、一方で、物言わぬ人達による懸命の復旧と復興の作業が続いています。五十日が経った今、この辺りで振り返ってみましょう。

.

東京電力を叩いて、誰が得をするか

 東京電力に不手際があったことは否定できないでありましょう。大津波が「想定外」であったとか、非常電源装置が動かなかったとか、現場と本社機構の連携ができなかったとか、諸々の指摘がなされていますが、技術論は一先ず置いても、東京電力の取締役会長と社長が共に当日は本社を留守にしていたことには弁解の余地がありません。この一事を以って、東京電力の危機管理意識が希薄であったと指摘されても、弁解の余地はありません。

.

 しかし一方で、大震災の翌日早朝、内閣総理大臣とあろう者が東京電力本社へ自ら乗り込んで怒号と叱責を発した一事は、政権自体の慌て振りと、逸早く責任転嫁を図らんとした恥じずべき行為であります。東京電力には責任があり、それは国民の責任であろうはずもなく、又、短絡的に直ぐに政権の責任に結びつくものでもありません。それを逸早く責任転嫁に動いたことは、予測される事態収束の難しさに最初から腰が退けてしまったことの現れであります。

 東京電力の責任は逃れようがありませんが、しかし、日本の工業力を支える基幹産業の一つであり、東京電力を悪者にして総てが収まるものでもありません。

.

 政府は被災現地の復旧と復興に努め、且つ、東京電力の発電量復旧に力を貸すべきであります。さらに、政府の曖昧な態度に起因する風評被害の払拭にも意を注ぐべきであります。

 福島県産の苺を頬張る首相の姿がTVで放映されましたが、今や悪相と化した首相の表情に自然の笑顔はなく、「俺が我が身を挺して食べてやる」とのパーフォーマンスしか観られないのは残念なことです。しかも、政権首脳による東京電力叩きは今も続いていますが、国民にとって得になることは何もありません。


nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。