女流詩人による漢詩の世界 -4/7 [稲門機械屋倶楽部]
2011-03-01 WME36 村尾鐵男
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李清照(1084-1153)と朱淑真(1135-1180)はいずれも宋王朝時代に生きた女性詩人で、中国の女流詩人としてはこの二人が双璧です。この二人の女性が詠んだ詩は沢山あるのですが、それぞれ一篇ずつを掲げました。
李清照は、誤解を招きそうな言葉で恐縮でありますが、およそ女性とは思えぬ雄渾な詩が多く、後世にも残るに値します。又、李清照は夫と共に蔵書家としても知られており、当然のことながら、ただ書を溜め込んだのではなく、次々と読破したであろうことから、その教養の高さも十分に覗い知ることができます。
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朱淑真は詩もよく知られていますが、詞でも名文をも越しています。結婚した相手が詰まらぬ男だったようで、その鬱憤を晴らすような詩と詞が多数残されています。
朱淑真については「才色双絶」と形容されています。才色兼備くらいの女性なら私の身辺にもおられますが、「才色双絶」となると見当たりません。朱淑真には一度お目にかかりたかったと思います。.
長相思令 宋 呉淑姫.
煙霏霏 雪霏霏
雪向梅花枝上堆 春從何處回
酔眼開 酔眼開
疎影横斜安在哉 從教塞管催.
煙(カスミ)霏霏(ヒヒ)とし、雪も霏霏たり
雪は梅花に向かい枝上に堆(ツ)む
春は何處(イズコ)從(ヨ)り回りきたる
酔眼開き 酔眼開く
疎影斜めに横たわり安(イズク)にか在らん哉
塞管(サイカン)の催(モヨウ)すに從教(マカ)す.
塞管は羌笛とも呼び、葦で作った笛のことです。
2011-03-03 07:34
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