Antonov-2型輸送機 [稲門機械屋倶楽部]
2020-09-18 MWE36 村尾鐵男
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Oleg Antonov(オレグ・アントノフ、1906-1984)はウクライナ人ですが、旧ソ連に於いて数々の輸送機を開発し、特に大型輸送機の開発と生産を得意としていました。中でも、超大型輸送機であるAn-124型は我が国の陸上自衛隊がイラクへ派遣されたときに、多数の機材を一挙に輸送できる唯一の輸送機としてチャーターされました。又、大型ではありませんが、An-24型輸送機は、オランダ製フォッカー・フレンドシップ型と同じ大きさの旅客機ですが、かつてソ連・東欧圏内で多数が運航されており、今でもアフリカとか西アジア地域で飛んでいます。 さて、北朝鮮に300機ものAn-2型ステルス機があるとして、ぼくあずさ氏が驚かれたそのAntonov-2型輸送機ですが、概要は下記の通りです。.
Antonov-2 型輸送機 (NATO Code COLT)
初飛行 1947年 8月31日
上翼幅 18m 下翼幅 14m
全長 14m
総重量 5,800kg
エンジン 空冷星型 9気筒(?) あ1450 馬力 x 1基
乗客 12名
巡航速度 180km/hr
航続距離 1,200km ..
ロシアで飛ぶことを主目的としていますので、非舗装の草原や麦畑での離着陸が可能であり、又、敢えて複葉とし、翼面荷重を80kg/㎡近辺に設定しています。主翼の後方半分と尾翼は羽布と称する布張りで軽量化を図り、ソ連・東欧の僻地での輸送に貢献したとしてOleg Antonovはスターリン賞を与えられています。車輪は固定脚で出たままですが、着陸直前に脚が出せない不安感から逃れることができて最高です。.
総生産機数は正確には判りませんが、12,000機以上と伝えられており、中国が生産した同型機はY-5型と呼ばれ、一方、ウクライナでの生産は1960年代半ばに終了し、以後はポーランドで製造され続け、ピストン・エンジンからターボプロップ・エンジンへ換装したAn-3型が今でも製造中です。.
さて、北朝鮮のAn-2型ですが、ソ連製かポーランド製か中国製か、定かでありませんが、ステルス性があるとは思えません。でも、北朝鮮の資金不足で、修理用アルミ合金板が入手できずに、布で張り替えれば、レーダー電波は機体を透過するかも知れません。いずれにせよ、軍用機としての価値はありません。尚、中古機市場で、3000時間ほど飛んだ最上機体がUS$95,000です。.
旧ソ連製航空機の安全性 -10 [稲門機械屋倶楽部]
http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2010-07-07-2
北朝鮮:ステルス輸送機300機保有 [朝鮮半島・中国・台湾]
http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2010-09-17-4
村尾鐡男さん 早速の御教示、ありがとうございました。
by ぼくあずさ (2010-09-18 01:10)