SSブログ

我が現代中国論 -10 [稲門機械屋倶楽部]

                                  2010-08-15 MWE36 村尾鐵男

.

【法治か人治か】

古代中国には、管仲や韓非子のような法家も出現して世界に先駆けた法治国家であった時代もありました。ところが、時代が進むに従って、人治政治となりました。

しかし、中国に法律がないわけではなく、古代から法は厳然と存在しており、現代の中国にも法はあります。中国の三千年ほどの長い歴史の過程で、為政者の意図を汲まぬ厳正な法の執行がよいか、君子や皇帝による人徳の政治がよいか、この両端の間を行きつ、戻りつし続けました。

そして今、中国共産党による政治は奇妙な制度を採っています。先ず、一般国民、即ち、非共産党員には法が適用されます。裁判は二審制で、地方法院と高等法院と呼ばれる裁判所で総ての事案が審理され、弁護士もおります。ところが、私達もよく知っておりますが、最終的に死刑判決が出ると、直ちに執行されます。裁判の誤りとか冤罪もあるので、直ちに死刑を執行するのは取り返しの付かぬことのならないかと中国の地方都市の市長に尋ねたことがありますが、答えは「共産主義の無謬性」でありました。

.

一方、共産党員には法は適用されず、党の規律委員会で裁かれます。毛沢東の頃の党規律委員会は厳しく、一般法で裁くよりも重い判定が下されたようですが、今は馴れ合いに終始すると言われています。これぞまさにダブル・スタンダード(二重基準)の最たるものです。

.

長々と現代中国について書きましたが、古代中国と現代中国はまったく異質の中国人であり中国国家です。古代から築いた倫理規範と宗教を捨てた現代中国は、加えて、善し悪しは別にして、共産主義の箍も外してしまい、今や剥き出しの人間欲で行動する中国人の国家です。国家全体が盲動している感が強く、最早政治の力ではどうにもならない領域へ入ってしまったのではないかと危惧します。

.

しかし、その現代中国に、古代中国の幻影を追うかの如く、日本の民主党政権は思慮なく接近していることにも危惧します。

.

私が親しくお付き合いした方から「君は家族同然だ」と言われ、夫人の手料理を幾度も御馳走になりました。その後、夫人が夏休み中の孫を連れて東京見物に来られ、我が家への来ていただきました。自分の家と同じだと教えられていたであろう孫の小学生は玄関を入るや台所へ駆け込んで冷蔵庫からアイスクリームと冷えたジュースを取り出し、食卓に座ってアイスクリームを食べ、自分で見付けたグラスにジュースを注ぎました。

.

中国人との付き合いには適度な距離が必要です。さもないと中国人が皇居へ勝手に通い始めるかもしれません。ましてや、動乱になるかも知れない中国とは距離が欠かせません。

(11)に続く


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。