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我が現代中国論 -1 [稲門機械屋倶楽部]

                                     2010-08-11 WME36 村尾鐵男

【民以食為天】

〔民、食を以って天と為す〕

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〈ぼくあずさは地球人〉に古代中国の至言・名言を著し続けて長くなっておりますが、そのために私を中国信奉者であるかの如く見ておられる方も多かろうと察しております。しかし、私もWME36の一員、即ち、昭和36年に大学を卒業した年代層であり、昭和二桁の初めの頃に生まれた者として、物事をそれほど単純に信じ込むことはなく、美辞麗句の裏には生臭い人間模様と葛藤が潜んでいると考えております。

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孔子に代表される古代中国の賢人達が君子の備えるべき資質と臣下の在り方を論じ、有徳の士の出現を待望し、国家は徳を以って統治されるべきとしたのは、当時の古代中国でも私利私欲の政治が横行し、人を騙し偽りを広言し、己の幸せだけを求め、他人を踏み付け蹴り散らして世を渡る者が横行していたからでありましょう。だからこそ、孔子をはじめとする賢者が警鐘を鳴らし続けたと私は理解しております。もし、世の中が孔子の望むような徳と礼に満たされていれば、論語を遺す必要性はなかったはずです。

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ここで、古代中国の話は暫し休ませていただき、現代中国について少々書かせていただきます。現代中国も私達日本人が長年に亘って間違って教えられ、中国共産党政権とそれに同調する日本の報道と論壇によって騙され続けられたことが多く、私自身、現代中国の真の姿を見聞きして驚くことが沢山ありました。

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〔民、食を以って天と為す〕とは、今の中国だけに言えることではなく、古代から今日まで続く中国の統治原則です。

中国の民は、腹一杯に食べられれば、それで天に昇った気分になり、為政者への批判を口にしなくなるので、統治者は民にとにかく食べさせることに励みました。別の言葉で言えば、典型的な愚民政策です。

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人は誰でも、私達日本人も含めて、空腹になれば苛々として些細なことにも腹を立て、それが長く続けば、徒党を組んだ暴動にも発展します。ときの政権を脅かすような暴動が飢饉のときに発生する事実は日本の過去にもあり、中国では古代の頃から頻発しております。

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ともあれ民を食べさせようとの政策は決して悪くはないのですが、中国ではそこまでです。食べさせるだけで終わりです。民に教育を施そうとの考えは希薄です。秦の始皇帝の焚書坑儒に始まる愚民政策は、民が知恵を付けると、何のかのと煩くなって、統治に厄介ごとが増えるからです。今の中国も同じです。国民の教育レベルを高めると、民主化への要求が強まって統治を阻害すると考え、一方で、漢族の特徴として「食べれば天国」ですから、政府はとにかく民に食べさせています。

(2)に続く


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