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春秋左氏伝 -5 [稲門機械屋倶楽部]

                                 2010-05-07 WME36 村尾鐡男

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【臨禍忘憂、憂必及之】

〔禍(ワザワイ)に臨(ノゾ)みて憂(ウレイ)を忘れば、憂、必ず之に及ばん〕

〈禍に直面していながらそれを憂うことを忘れたら、その憂いが必ず現実のものとなる〉

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政治には透明性が求められます。半世紀を越した自民党政治が遂に表舞台から引き摺り下ろされたのは、この透明性を欠き、不透明な部分が多くなったからです。それに代わった民主党には当然のことながら澄み切った透明性が期待されました。ところが、国民の期待を大きく裏切る結果となりました。

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悪之來也、己則取之】

〔悪の来(キタ)るや、己れ即(スナワ)ち之を取る〕

〈悪いことが来るのは、自分自身が招いたものである〉

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今の民主党政権は沢山の難問を抱えていますが、その一つ一つを観ると、自ら招いた難問ばかりです。おそらく政権奪取は叶わぬと思いつつ無邪気に作成したマニフェストが足枷となり、望外の政権交代を用意万端の結果であるかの如く見せかけるために苦慮して起こした外交上の失態の数々、総て自ら招いたものです。今は前政権に責任を転嫁せんと多言を弄していますが、苦し紛れの茶番劇に過ぎません。

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驕而不亡者、未之有也】

〔驕りて亡びざる者、未だ之あらざるなり〕

〈驕り昂ぶって滅ばなかった者はいない〉との意味ですが、日本にも「驕る平家は久しからず」との名言が古くからあります。

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【溺人必笑】

〔溺るる人は必ず笑う〕

〈亡びる者は、何故かその直前に笑う〉

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冒頭に記しましたように、春秋左氏伝は中国古代、紀元前7世紀から5世紀頃までの諸国乱立時代に、その権謀術数の限りを尽した言葉の数々です。私達の日常生活でも、何かに失敗して苦笑いをすることはよくあることです。照れ隠しもありますが、諦観から思わず笑うこともあります。現政権の首脳から意味不明の笑いが洩れたら、そろそろ政権の終りを告げるものでありましょう。

(完)


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