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我が愛すべきぼろ車達(2) [安曇野だより]

                                                                       ・・・・・下山成人 書き下ろし1.ある時この車で小学校時代のクラスメート数名と山中湖までドライブすることになった。国道20号は未だ舗装が完全でなく何箇所も砂利道を通って何時間も掛けてお昼近くに山中湖に近づいた時であった。急にゴックン・ゴックンと音をたてて車体が揺れだし、アクセルを踏んでも力が出ずのろのろ走るだけであった。未熟なクラッチワークによって起るノッキングとは明らかに違う。それでも超低速でやっとのことで湖畔の整備工場へ持ち込んだ。整備士が何やらエンジン部をチェックしていたが「こりぁ駄目だ。シリンダーの一つに穴が開いている。これでは東京まで帰れないぞ」とのたまった。 

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「シリンダーのオーバーホールをしてやるから暫く山中湖であそんでいなさい。」と言うが早いかエンジンを分解し始めた。23時間後戻ってくると「もう出来てるよ!」と言ってエンジンをかけてくれる。シリンダーの内壁を取り替えたと言う。当時は旧くなったエンジンはシリンダーのオーバーホールを行い又何年か乗り回したものである。今はそんなことはしないようだが時々何故だろうと思う。もっとも当時はタイヤも磨り減ってくると「山かけ」といって磨り減った面の上にタイヤのゴムを溶かし込み再使用したものだった。新品のタイヤに比べればもちは悪いが、それでも安いので私も山かけの再生タイヤを愛用していた。山中湖ドライブに参加した同級生みんなでシリンダーオーバーホールの手際のよさに感心することしきり。修理費がとてつもなく高いのではと心配していたが数人で割り勘したら気にならない金額だったので驚き。学生と思ってまけてくれたのかもしれない。感謝!感謝!の山中湖ドライブでした。 

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2.又ある時中学・高校時代の同期の友人2人を誘い新潟県の高田市(現在の上越市)まで行ってみようということになった。確か国道17号で行ったと思うがあまり記憶に残っていないので高田市までのドライブにはあまり問題はなかったようである。夜になって高田市に着き宿を探して一泊。翌朝早起きして市内の旧遊郭跡を見学し長野へ向かう。長野からは山道に入り大町に向かった。この山道が何年も人が通っていないのではと思われるほどに荒れている。馬車の轍が深いうえに背丈の高い草で覆われており先が良く見通せない。今でも上田市から明科に抜ける青木峠と言うのがあって道を踏み外すと23百メートル下の谷底まで落ちて行き引き上げ不可能で何台もの自動車が谷底に転がっていると言うがその青木峠の未舗装版と思えばよい。この山道では我が愛車は何度もエンストを起こした。そのつど皆で車を押し何とか悪路のドライブを続行する。

(3)に続く


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