鎌倉Wanderung:朝夷奈切通から杉本寺へ [ぼくあずさの寺めぐり]
.by ぼくあずさ
この冬一番の冷え込み予報のあった2月22日、完全防寒姿の出立ち。 処がぽかぽか陽気の中、梅花香る早春の鎌倉を満喫しました。
金沢八景まで歩き、鎌倉行きバスに乗車。朝比奈バス停を10時過ぎ歩き始める。右手に巨木を見ると程なく岩肌を薄緑色に変えたシダを背に10体程の石碑が並ぶ。
左手に熊野神社への道を別け最後の坂を登切る。久しぶりの切通は爽やか、気分好! 明治初期に撮影された写真にある茶店跡と思われる場所の近くの磨崖仏。
両脇の切り開かれた岩から絶えず浸み出す水がころころと早春の水音を立てる。ハイカーはおらず、1241年に朝比奈が一晩で開削した伝説がある広い岩道を下る。熊野神社の背後の山からの水は太刀洗川となって小さな滝となる。
川沿いに下り、頬焼阿弥陀と塩嘗地蔵が祀られている1279年に創建された光触寺を訪ねる。時宗の宗祖一遍上人が開山された小さな寺。御本尊は阿弥陀三尊、阿弥陀は運慶、観音は快慶、勢至は湛慶作(国重文)。本堂前右手にある「塩嘗地蔵」は金沢六浦の塩田で作られた塩を鎌倉に運ぶ度に、お地蔵さまに供えた塩が翌日には無くなったと云い伝えられている。
鎌倉街道沿いの高台にある天台宗大蔵山杉本寺入口の白梅は満開でした。仁王門を抜けると、今は入口が塞がれた苔むした急な石段が本堂前まで続く。
左脇の拝観者用の緩やかな石段を登る。
観音堂内で蝋燭と線香を立て、両手合わせ願い事をする。
外陣左に地蔵菩薩、中央に源頼朝が寄進した運慶作の十一面観音立像。次に2つよく磨かれた木の段を内陣前に進み、奥にある三体の十一面観音立像を心眼する。
◎木造十一面観音立像(伝円仁(慈覚)作)
内陣中央の十一面観音は、851年(仁寿元年)に杉本寺を訪れ、霊感にうたれた慈覚(円仁)が、海辺の木で彫刻したともの伝えられている(国重文)。
◎木造十一面観音立像(伝源信(恵心僧都)作)
内陣の中尊に向かって右の十一面観音は恵心僧都の作と伝えられ、藤原様式の名残が認められる作品。
985年(寛和元年)に熊野権現の教えによって杉本寺に納められたもの(国重文)。
◎木造十一面観音立像(伝行基菩薩作)
内陣の中尊に向かって左の十一面観音(市重文)は、杉本寺開山の行基の作と伝えられ、三尊中最も古い平安時代という。
外陣右に降り、所々貴石を嵌め込んだ毘沙門天立像がある。
杉本寺を後に田楽辻子の道を歩き、天台宗宝戒寺を参拝。境内の白梅は7分咲き、しだれ桜は未だ蕾は固い。福寿草が彼方此方に咲いていました。写真なし。 鎌倉のいろんな顔が楽しめた再発見の一日でした。
最後に、段かずらの東に広がる古い住宅地の中の雰囲気のあるとても狭い道、大仏次郎の茶廊前を経て鎌倉駅へ。井上蒲鉾店で小判型の薩摩揚げを、逗子駅前の魚佐治で佐島産のイカを土産に購入して早めに帰宅しました。
お早うございます。
22で猫の日とか。
心が落ち着く散歩道。南無阿弥陀仏。
by 夏炉冬扇 (2013-02-23 07:50)
夏炉冬扇さん
Singapuraの若い子を家で預かったことがあります。
その優美な姿とふるまいは忽ち家族の心を射止めました。
猫の日は初めて聴きました。
by ぼくあずさ (2013-02-23 10:34)