RE: 蒸気機関車の発電機 [和田の泊りより]
村尾さん
蒸気機関車については使用電力も前灯、運転室灯、標識灯位で、たかが知れていますのでUPSである小型の蒸気タービン発電機で十分です。車軸から回すと言っても発電機の取付スペースが無く、また停車時のバックアップ用のバッテリーもありません。
発電機を車軸で回していたのは、最近では殆ど見掛けることが無くなった旧型一般客車、或いは貨物列車の車掌車で、これは車軸からベルトで駆動していました。そしてバッテリーに蓄電し低速時、停車時にはこちらから給電していました。
発電機は勿論可逆式で、これも負荷は殆ど室内灯でした。
電車の場合はモーターを駆動する主回路と制御、照明、放送、空調などに使用される補助回路がありますが、補助回路に架線電圧をそのままかける訳に行きませんので降圧が必要ですが、以前は架線電流は直流だったのでトランスが使用できず電動発電機(Motor Generator:MG)が使用されてきました。
取り付け位置は台車とは無関係に床下です。そして負荷にメンテが楽な三相交流モーターが使われるようになってからは(空調、機器冷却用ブロワー、空気圧縮機など)電動交流発電機(Motor Alternator::MA)が使われるようになりました。更に最近では半導体を使用したコンバータ(直流出力)やインバーター(交流出力)が自由に使えるようになり静止型補助電源装置として一般的に使用されています。名前も航空機と同様にAPU或いはAPSと呼ばれることが多くなっています。
村尾さんは覚えておいででしょうが、昔、地下鉄銀座線では駅の近くでポイントを通過するたびに室内灯が消えて代わりに小さな補助灯が点いていました。これは当時はMGも無くこれらの回路に第三軌條の600Vを直接使用していた為ですが、第三軌條のギャップを通過する度にこの様なことが起こっていました。
ついでながら気動車の場合は自動車と同様、ディーゼルエンジンに付属した発電機で発電していますが、空調等のように負荷が大きく、且、三相交流の場合には別にディーゼル発電セットを(DG)を設けています。客車の場合も同様にDGセットが搭載されています。
また、これも消滅しつつありますがブルートレインのように固定編成客車の場合は列車全体の電源を賄う大型DGを搭載した電源車が連結されています。
月川@神戸
月川さん
蒸気タービン設計技術者の私ですが、超小型の蒸気タービンのイメージが湧きません。リショルムコンプレッサーに蒸気を流すのかと思いますが。
なお、第40回わかとり国体(1985年鳥取)では聖火を「地の火」から採火する記念碑が三朝温泉のキュリー公園内にあります。採火の仕掛け作りを鳥取企業局がギブアップして、FD営業を通じて私に持ち込まれました。温泉水でフロン11の蒸気をつくり、これをレシプロの蒸気機関で発電機を駆動しました。
地の火 採火地 第40回わかとり国体(1985鳥取)
http://keyword-co.net/tottori-sculpture/tottori_chubu/misasa/2283/
蒸気機関車の発電機 [稲門機械屋倶楽部]
http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2012-04-14
by ぼくあずさ (2012-04-30 03:52)