鉄道車両の転向 -1/2 [和田の泊りより]
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村尾さん
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転向等と言うと思想改造かなにかのように聞こえますがこれは文字通り向きを変える話です。
前電で転車台が無いと車両の向きが変えられないような書き方をしましたが、追加しておきますと三角線を使うという手もあるのです。熊本に三角線(みすみせん)という線がありますがこちらは「さんかくせん」でスイッチバックを二度繰り返して通すと方向を逆にすることが出来ます。
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有名な例では、その昔我々が学生時代には東海道線の花形特急として「つばめ」「はと」があり、その最後尾には展望車が連結されていました。展望車は上り下りに関係なく常に列車の最後尾に連結されていなければなりませんから、所謂シャトル運行で往復していたのでは一回置きにおかしなことになってしまいます。
そこで毎日終点まで走ると転向していたのですが、具体的には上り列車が東京駅に到着すると、そのままネグラである品川客車区に入庫するのではなく、現在横須賀線が走っている品鶴貨物線で蛇窪信号場と呼ばれる地点まで回送します。そして今度は湘南新宿ラインが走っている山手貨物線を逆に走り、大崎駅まで行って再び逆に走り品川客車区迄戻っていました。これで展望車が東京寄りを向き翌朝そのまま東京駅まで回送すればちゃんと展望車が最後尾になっているのです。この運用は場所の名前をとって「蛇窪回し」と呼ばれていました。
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大阪でも同様に大阪駅から直接宮原客車区に戻るのではなく下り線をそのまま走って福知山線の塚口駅まで行きそこで折り返して今度は上り線を走って宮原客車区に入庫していました。翌朝上り線を出庫して大阪駅に着くと展望車が最後尾になっています。
手間のかかる話ではありましたが仕様がありません。
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この他、場所と大型クレーンがあれば一両ずつひっくり返す事も可能です。ご参考までに。
月川@神戸
月川さんの上記本文は私とのメールの遣り取りが転載されたものです。東京近辺には、昔、蒸気機関車の向きを換えるために使った転車台がないので、これも昔の展望車を例にして判りやすく列車の向きを換える方法を教えていただいたメールです。
私は展望車に乗ったことがないのですが、月川さんも展望車には乗り損なったそうです。
あの特急つばめの最後尾に連結された展望車に一度は乗ってみたかったのですが、残念です。
by 村尾鐵男 (2012-03-25 07:44)