TPP知財戦争の始まり、渡辺惣樹 [サンアントニオ短信]
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皆さん。 渡辺惣樹というと、またかという顔をされるかもしれません。 日米衝突の根源、日本開国、そして表題の本です。このTPPの本、類似の本とは取り上げ方が違います。 広い視点で
かれ、期待に違わない本でした。米国に真の目的は中国の知財権利違反を抑えこむことにあり、日本を標的にした自由貿易協定ではない。 この本の終わりに、彼が言っている2点に興味を惹かれました。 まず、TPPの枠組みが狙いどうりに成立したとしても、アメリカはかっての栄光を取り戻せないだろう。
この原因はケインズ流経済学の持つ生来的な欠陥にあると考える。
続いて私(渡辺)はハイエクからミーゼスにつながるオーストリア学派の主張が正しいらしいと信じているが、その正しさを論じるなどということはとてもできない。.
ケインズかハイエクか、米国大統領選の大きな流れです。 何時も食事、酒を飲んで議論をする米国の隣人も渡辺惣樹のこのコメントに喜ぶでしょう。 しかし、セーフテーネット、エンタイトルメントを当然の権利とする先進国でこの政策が実行できるのか、大変疑問です。
大嶋
TPP論議は、日本では、初めから民主党政権の歯切れが極めて悪いのですが、鳩山・菅の根底に見られる反米感情と親中思想に阻害されてしまい、ケインズかハイエクかの経済基本政策とか、中国によるアメリカの知的財産権侵食への抑制効果云々のレベルまでは到底至っていません。
新聞やTVも、次元の低いところしか観ず、そのために農協等に振り回されてしまいました。日本の政治家に長期的視野が欠けているので止むを得ない状況展開となりました。
by 村尾鐵男 (2012-03-01 11:51)
大嶋さん
「日本を標的にした自由貿易協定ではない」と言い切る根拠を読者に提示して欲しい。よろしく。
by ぼくあずさ (2012-03-01 17:52)
2000円以下の本です。 読まれることをお薦めします。
by 大嶋 (2012-03-02 04:16)