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中国は何処へ -6/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                   2012-02 WME36 村尾鐵男

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官倒と権銭弁証法え     

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 日本語では通じない「官倒」ですが、中国共産党や政府の幹部が、一族を挙げて国庫を横流しして私腹を肥やすことを「官倒」と言います。

 また、「権銭弁証法」との言葉もあります。マルクスの社会主義弁証法を捩った言葉ですが、「官倒」と「権銭弁証法」の両輪を転がして、中国共産党や政府の高官はますます富み、北京の中央のみならず、国民の目が届き難い地方までが穢されています。

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 では実際には如何にして国富を私富にすり替えるのか。別に巧妙な手口があるわけではありません。

 先ず、中国人には「公」の概念も観念もありません。従って、公的資産、即ち国庫は、持ち主不明の資産が便宜的に国の倉庫や銀行に預けてあるに過ぎず、それを奪って私物化できるのはときの権力だけです。元々が「公」の考えがなく、さらに持ち主不明ですから、先に発見して手を着けた者の勝で、しかも政治的な主義主張とは無関係です。

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 蒋介石は自らの蒋一族と妻の宋美麗の宋一族、これに蒋介石を金銭的に支援した孔祥煕と陳果夫の四家族が国富を簒奪することに力を貸しました。

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 鄧小平の鄧一族は共産党統治下の中国で最大の金持ちになりました。ところが、権力が江沢民へ移ってからは、鄧一族と、その余禄を分け合った陳雲、王震の一族も没落し、代わって江沢民の息子が中国の通信情報業界を手中に収め、江沢民の下で首相を務めた李鵬の息子は電力業界に君臨し、続いて朱鎔基の息子も金融業界を我が手に納めました。

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 江沢民は上海閥を育て上げたのですが、胡錦涛と温家宝が権力を掌握してからは、その蓄積した富が次第に奪われ、江沢民の代理人でもあった上海市長の陳良宇が、何と中国で、汚職を摘発されて逮捕され、江沢民派は衰微の一途となりつつあります。

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 尚、「権銭弁証法」の最初の文字である「権」は人権の権ではなく、権力の権です。


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