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中国は何処へ -5/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                  2012-02 WME36 村尾鐵男

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一官二商三匪四盗

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 読者の皆さんは、上記の標題が何を意味するか御存知でしょうか。中国では子供でも知っていることですが、大昔から言い伝えられた儲かる順番です。

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 ただの盗人(ヌスット)よりも、敗軍と化した軍隊とか数千人の集団が武装して国庫を襲う匪賊(ヒゾク)の方が儲けは大きいでしょう。その盗人や匪賊よりも儲けることができるのが商人で、さらにその上の儲けが可能なのが「官」です。

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 日本語では「官吏」と一緒にして呼びますが、官と吏は異なります。判り易く言えば、中央官庁に所属する高級官僚が「官」で、地方へ天下っても、中国では言葉も異なり、その地方の風習や事情にも通じていないので、通訳や補佐役が必要で、その地方官僚を「吏」と呼びました。

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 ともあれ、「官」は儲かるのだそうです。日本人の一般的な概念として、「官」が儲かるとは信じ難いのですが、中国では、今も変わりなく、高級官僚の地位に就けば、膨大な国庫を私物化することができます。

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 鄧小平が現われて社会主義市場経済なるよく判らない経済政策を推し進め、鄧小平一族が国庫を私物化しました。その鄧小平一族を駆逐して、次に国庫私物化の権力を手に入れたのが江沢民で、その江沢民も胡錦涛に追われました。今、胡錦涛の権力を、表向きでは禅譲されようとしているのが習近平ですが、胡錦涛も一官の権力を易々と譲ることはないでしょう。

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 中国共産党幹部の子供達がアメリカや欧州諸国へ留学していますが、子供をアメリカ等へ留学させる経費は何処から捻出できるのか。考えれば考えるほどに不思議なことですが、「一官二商三匪四盗」の古来からの伝統に従えば容易いことです。

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 中国での政権交代、或いは権力闘争は、政治路線の違いや社会主義の解釈の違いに因るものも勿論あるのですが、国庫を私物化する権力を巡る闘争の一面を否定することはできず、私欲が絡むほど、その闘争は熾烈で隠微の度合いを強めます。


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