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亀 [軽井沢だより]

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こんな話を読んだことがある。

Stephen Hawking博士が公開講義をおこなった。

内容はもちろん、宇宙の成り立ちの話、ブラックホールとか、その類だと思う。

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教室の後ろに座っていた老婦人が突然質問した。

どうしてこんな馬鹿げた,とんでもない話をするのか。

地面は平らで、あり、この地面は亀の上に乗っているのだ。

博士はひとつ困らせてやろうと考え、逆に質問した。では、その亀は何の上に乗っているのか、と。

婦人こたえていわく、親亀の上にのっている。こんなこと、あんたは知らないの。

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この話は本当のことかどうか知らないが、これは博士に勝ち目はない。親亀は何に乗っているのかといえば、亀はいくらでも無限に登場する。

亀とは、実は神話のことではないか。

ここで言う神話とは、ギリシャ神話のことじゃない。生まれてこのかた、ずっと信じてきた、もろもろのことだ。

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考えてみれば、自分が正しいと信じていることは、与えられてきたものがほとんどでは、ないか.1+2は2というのは、最初教えられる。自分でも納得する。10本の手の指で納得できる。

だが円周率が無限小数だというのは、納得しているのだろうか。

指折り数えて納得したという人はいない筈だ。こんな風に思うと、自分は亀の上にずっと乗ってきたように思う。それは、今でもそうだ。

.自分の頭で考えるということは,言うは易く、行うに難しである。

人類は民主主義という考え方を、作った。

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私が小学校に入学して、まもなく敗戦ということになり、教科書に墨を塗り、これからは民主主義だと、教え込まれた。

このとき以来民主主義は、日本人の大部分の人たちに神話となったのではないか。自分たちで勝ち取った考え方ではない、納得したものではない。

教えられたこの考え方は、民が自分で考えることを前提にしているものだと思う。そうでなければ、民主という言葉は意味がない。

さて、今どのくらい自分で考えてたとえば投票しているのだろうか。

いたずらに選挙権を拡大することが、民主主義か。

制度には目的がある。良い政治を目標にするなら、どうしたら良いかが最初に問われる。それは何なのか。

私自信に確たる答えがあるわけではない。

ただ、少なくとも、自分で答えは用意できないかと思う。

いい加減、亀の上に乗るのだけは、やめようと思う。

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安全神話の崩壊 村尾鐵男

http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24-2

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I Watanabe


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コメント 2

ぼくあずさ

コメントを書こうと暫く考えたが止めた。考えが纏まらないのは
室温10℃の寒さの所為か。そうではないのだが、とにかく
寝よう。いつもなら深夜風呂に浸かりながら時の流れを意識する
と何となく解法が浮かんで来るのだが。
by ぼくあずさ (2011-12-26 05:34) 

村尾鐵男

I. Waranabe さん
終戦後、墨で塗り潰された教科書を思い出せてくれました。教室の前方、教壇の上に飾られた天皇・皇后両陛下の御真影も外されました。私達日本人から皇紀2600年の神話を奪う手段が先ず子供から始められたのですが、人は神話を信じ易いですから、否定されるとさらに信じたくなる厄介さが残ります。
Dr. Hawking の話、面白いですいね。私も大きな亀の背に乗っていると信じたくなります。地震学者が総懺悔中の昨今、地震は亀が時折動くからだと考える方が説得力があります。
by 村尾鐵男 (2011-12-26 08:47) 

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