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菜根譚  -7/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                           2011-09 WME36 村尾鐵男

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「菜根譚」は前後の二巻から成ると冒頭に記しましたが、前集は宗教観を根底にする処世訓であり、後集は自然と共存して生きる術を教えております。ここからは後集から幾つかを御紹介します。

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天地本寛、而鄙者自隘。

天地は本(モト)寛(ヒロ)きなれど、鄙(イヤ)しき者は自(ミズ)から隘(セマク)す。

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 この文は単に地理的な広さだけを言っているのではありません。日常の活動、隣近所との付き合い、仕事場の仲間、政治の世界での与野党協調、総ての面で卑しい者の活動範囲は自ら狭まります。

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心無物欲、即是秋空霽海。

心に物欲無くば、即(スナワ)ち是(コ)れ秋空(シュウクウ)霽海(セイカイ)なり。

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「人の心に物欲がなければ、人は常に秋の空のように爽やかで、澄んだ海のように清らかだ」と諭し、物欲こそが人間の精神が汚れる根源であると言っています。

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知足者仙境、不知足者凡境。

足(タ)るを知る者には仙境(センキョウ)にして、足るを知らざる者には凡境(ボンキョウ)なり。

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 この一文は景色を愛でるか愛でられないかを言っているのではありません。自分の心の内に、満足することを知っている者は、如何なる境遇に置かれても満足を覚えることが出来る。しかし、限りなく貪欲で、満足する術を知らない者には、人も羨むような境遇になっても満足することができません。

 要は、人の幸不幸は足るを知るか知らないかだと「菜根譚」は言っております。


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