SSブログ

日本のエネルギー問題を考える -5/  [中沢塾のブログ]

.

WME36) 甲斐さん

.

コメントありがとうございます。

このようなコメントを歓迎いたします。

.

ご理解の通りこの戦略を作成した目的は、原子力発電に依存しない社会を実現することは時間軸を考えて技術的に可能ですよ、ということを世間に示すことでした。これをどのように実現するか具体的なプロシージャを考えることは仰る通り重要ですが、政治的、社会的な領域になり、不確定要素が多すぎてここでは扱いませんということを、「中沢塾のブログ」のエネルギー問題(3)で最初に断ってあります。

.

ではなぜこのような戦略を提起したかということもブログで書いてありますが(同(1)、(2))、世の中の原発賛成・反対の議論が、しっかりした技術的根拠もなく、枝葉末節の挙げ足とりに終始して、相手側の欠点ばかりを指摘する不毛の議論に終わっています。これは互いに相反する価値基準に囚われて議論するからで、まずこの価値基準のメタコンセプトを見つけなければ建設的な議論はできません。このような議論に技術者として我慢がならなかったので自分で脱原発が新エネルギーを含むエネルギーミックスで可能になるのかどうかを時間軸で考えてみた次第です。いわゆる評論家(特に経済評論家族)の言動には我慢がなりませんでした。

.

私が提案した時間軸も含めたエネルギー戦略は、私が調べた範囲では、まだ誰も提案していないようです。私のやり方で戦略を立案してみると、10年後から15年後の間に原子力発電を全廃することが技術的に可能であることをが判りましたので、それを世間に示したかったのです。

.

もちろん他の戦略も考えられます。ソリューションは無限にあります。

その一つを示しましたつもりです。しかし、私は、議論する人たちは、この様な技術的可能性に関する「知の共通基盤」(一般にこれを「ディスコース」と言いますが)を持って議論して欲しいと考えています。

.

太陽電池の件は、仰る通り、現在は経済的にペイするぎりぎりのレベルです。もちろん社会的なインセンティブが必要ですが、技術は必ず進歩します。

ブログの中に記載しましたが(同(5))、現在市販の太陽電池は太陽光スペクトルの一部しか利用していません。これをもっと広い範囲の波長を利用すると理論的に可能な変換効率は60%になります。それに向けた開発が着実に前進しています。

たとえば東京大学先端科学技術センターのとシャープのチームはナノテクノロジーを

駆使した新しい量子ドット型太陽電池の試作品作りに成功しました。

私の戦略は15年後に50%を仮定しています。

そこまでいかなくても、私の戦略で5年後までにはかなり性能が進歩し、普及が拡大すると考えました。甲斐さんも設置はも少し待たれた方が賢明です。

.

これもブログに書きましたが、九州大学で風レンズ風車という新しい技術が出てきて、今の性能の2倍は直ぐに達成可能です(同(3))実証実験は終わっております。

また陸地より洋上設置の方が安定した風が得られます。

.

つまり、技術の進歩を無視して、現状の欠点だけを挙げて、だから新エネルギーはだめだという一般の議論にはどうしても納得ができません。もちろん甲斐さんは自然エネルギーに反対だとは言っていないことは十分承知してます。

.

私のブログをお読みいただいてないと思いますし、読まれるのも長いので煩わしいでしょうから、冗長にお返事を書いてしまいました。

お許しください。

改めてコメントを感謝します。

.

中澤 弘


nice!(6)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 6

コメント 1

村尾鐵男

ドイツ人研究者 Albert Betz(1885-1968)が、1920年、確か Goettinngen大学教授のときに打ち立てた「ベッツの法則」があります。
風力エネルギーを機械エネルギーに変換する際の限界効率が59.3%であるとするもので、この法則は今でも活きています。
九州大学の「風レンズ」も一つの着想ですが、風車直径が小さい風力発電機にしか適用できないでしょう。大型機では「風レンズ」が重くなり過ぎて、軽くすれば剛性を弱めそうです。この試作機は風車直径が1300mmほどで、1000wの発電能力があり、まずますの出来具合です。
しかし、ベッツの法則を打ち破る新たな法則が出て来ない限り、59.3%の壁が立ちはだかります。

by 村尾鐵男 (2011-09-07 13:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

菜根譚  -2/10発明馬鹿 -15/16 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。