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やぶにらみF1(福島第1原子力発電所)論 -5/6 [稲門機械屋倶楽部]

                                      201105-18 WME36 村尾鐵男

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国策民営電力会社

「政産官学」複合体による翼賛国策の下で原子力発電所が次々と建設され、それを運営するのが各電力会社ですが、電力会社は事実上は「国策民営」企業です。国策に依拠するとする御旗を与えられ、地域独占の市場も与えられました。

F1事故に関係して、その二年前の日本航空(JAL)の一件と比較されます。JALも長い期間に及んで国策民営会社でした。しかし、内部事情に通じていなくとも、誰にも判る大きな違いが一つあります。それは市場独占権をJALは享受していませんでした。当然のことです。同じ条件下での競争こそが産業発展の原動力です

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その国策民営企業の東京電力が今は危機に瀕しています。評論家の内には、東京電力の建て直しに際して、発電と送電を分離しろとの主張があります。発電と送電を分離すると、電力を使う個々の消費者に面と向うのは送電会社であって、発電企業ではありません。周波数50Hzの関東以北の地域を考えると、送電会社は少しでも安価な電力を送電すべく考えますから、たとえば東京へ送電するために東京電力から電力を仕入れるとは限らず、発電元は東北電力でも北海道電力でも構わないことになります。かくて必然的に地域独占権は崩れます。

発電と送電を分離するのか、言い換えれば、電力会社に与えられた地域独占権を取り消すのか。「政産官学」複合体は未だ何も言いません。独裁指向を垣間見せる首相菅直人も未だ何も言いません。

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「政産官学」複合体も「国策民営」による地域独占企業体も、その内部にいる者、勿論ですが政治家も含まれるのですが、とてつもなく大きな飴玉であり甘露この上ない利権ですから、これを手放したくはないでしょう。

政治家にとって、利権は思想や主義主張に優先し、得体の知れぬ市民運動とやらを推し進めるにも先ずは資金です。首相菅直人の悩みは大きいはずで、しかも、この悩みは他人に助言を求めることができず、他人に打ち明けることもできない悩みですから、心の中に鬱積して表情も暗くなります。


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ぼくあずさ

村尾さん
拝読いたしました。少し躊躇いながら、私の見方を開陳いたします。
1.原発はG8で日本に不利な結論が出た
2.国益を考えた主張が皆無
3.1000万戸ソーラーパネル計画は日本の為ならず
4.電力10社+電発&日本原子力の12社体制は解体すべきでない
5.原発路線は継続すべし、安全確保は可能
6.独裁者思考の菅直人は日本を破滅させる
7.解散するぞと脅され、自浄能力を欠いた民主党
8.菅氏の本音は国民を味方につけて国有化による支配
9.その後、民営化で2回カネを生む

by ぼくあずさ (2011-05-27 05:16) 

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