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近頃話題にならない爆撃機 -5/7 [稲門機械屋倶楽部]

                         2011-01-15 WME36 村尾 鐡男

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START では爆撃機も削減

 「新START」では、米露それぞれが条約に従って戦略兵器削減に向けた行動を採り、七年後に下記の制限値を越えてはならないと取り決め、第二条に次の三点が明記されました。

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① ICBM (大陸間弾道弾)SLBM(潜水艦発射弾道弾)、重爆撃機, 即ち、

     戦略兵器運搬手段の配備数を700とする

 上記に於ける非配備数も含めて800とする。

 戦略兵器の数量を1,550とする。

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しかし、私のような門外漢にはどうしても理解できないのですが、第三条では、ICBM, SLBM, 重爆撃機、共に核爆弾の運搬量を “1” と数えることを定めていることです。 爆撃機B-52H型には20発の核爆弾が搭載可能ですが、これを敢えて “1” と数える根拠が判りません。

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 又、この「新START」によって重爆撃機の数が48機に制限されたとの報道があります。条約本文と付属書は英文で200頁弱のもので、私も目を通しましたが、高齢による視力の衰え甚だしく、爆撃機の数を48機に制限する記述を見つけることができませんでした。 しかしながら、爆撃機の核爆弾運搬量を幾つと数えようが、米ロが戦略兵器、即ち核爆弾や核弾頭を減らそうと決意している限り、核爆弾を運搬できる爆撃機の数を増やすこともできないはずです。

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 米国空軍の爆撃機三機種の内、B-1型爆撃機は既に核兵器運搬手段からは外されて、ACCAir Combat Command:航空戦闘軍団)に残って通常の爆撃任務に就いています。したがって、戦略核兵器の輸送手段としては、AFGSCに配属されているB-52H B-2Aの爆撃機しかなく、特に、実戦配備から半世紀以上を過ぎた老兵のB-52型爆撃機は如何にも旧式に過ぎるものであります。


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