近頃話題にならない爆撃機 -4/7 [稲門機械屋倶楽部]
2011-01-15 WME36 村尾 鐡男
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新START と爆撃機
昨2010年4月8日、チェコのプラハで米国大統領オバマとロシア大統領メドヴェージェフとの間に「新START」が調印されました。”START” とは “Strategic Arms Reduction Treaty”(戦略兵器削減条約)のことです。
さらに、2010年12月22日には米国上院で三分の二以上の賛成票を得て批准され、ロシアも2011年早々には議会が批准すると予測されています。
米国議会の上院では、この種の条約の批准には三分の二以上の賛成票を必要とするそうですが、「新START」の議案では議席総数100の内、賛成71票、反対26票でした。
「新START」はオバマ大統領の核兵器削減、或いは廃止の理念に少しでも近着こうとする意思の表れでありますが、議席総数の三分の二を辛くも越える票で批准されました。.
この条約本文と付属する議定書(Protocol)では、爆撃機を “Heavy Bomber” と表現し、次の二つの条件のいずれかを、或いは双方に適う爆撃機を条約の対象機種としています。.
1)航続距離が8,000km以上の爆撃機。
2)ALCM(Air Launched Cruise Missile:空中発射巡航ミサイル)を搭載し発射できる爆撃機。.
この二つの条件に該当する爆撃機として、米露各々が下記の機種を条約に明記しました。.
米国: B-52G, B-52H, B-1B, B-2A
ロシア:Tu-95MS, Tu-160.
長距離を飛行可能な爆撃機は戦略的武器、即ち核弾頭を敵陣へ向って運ぶことができる有力な運搬手段であり、それ故に常に戦略武器削減の対象となり、私達も戦略爆撃機と呼んで、通常の爆撃機とは区別しています。
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