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消化し易い、為替レートと消化し難い為替レート-4 [軽井沢だより]

以下はこのレートと言うよりは、指標についての感想である。

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マックインデックスが、特殊理論であるとすれば、この実効レートは、一般論である。時系列を考慮し、輸出国相手を、ウエイトずけして、いわば時空を拡張している。

ただ、マックインデックスのような、市場の相場が適正,公正、Fairというような評価はしない。

だが、単純に円高だ、円高だといっても、一面どころか一端しか捉えていないような、議論とは無縁である。

.世界の金融、財政の当局者は百も承知のレートの推移なのだろう。

もちろん、日本の企業にとって、輸出先が米国がほとんどのところにとっては、このレートはあまり意味はない。

だが、このレートのことを、政府関係者が口にするのを聞いたことがない。また、一般紙にも掲載されたのは見ていない。

その意味でも、このレートは、一般国民には消化が難しいものなのか。

レートそのものの考え方は、大して難解とは、思えない。

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エコノミストが掲載している、グラフは1990年から今年の多分8月くらいまでを示している。この期間の平均が指数110付近にある。平均は、2005年を基準年にすれば、この20年ほぼ10%円高の実質実効為替レートだった、ことを見せている。だが、2002年を過ぎてからちょっと前までは、円安だった、と言うことは、頭に入れておくべきことで、企業の財務担当者が、想定した為替レートと今のそれが、違いすぎたというのでは、その任にあらずということも、ありうる。

最後に、日本の総理がチョイチョイ変わる、よくない、というが、これはまりにも当たり前だ。が、それにもまして財務担当大臣は、総理よりも在任期間が短い。酔いどれ大臣から、数えて何人がこのポストに座ったのか。政治主導などという言葉は、絵空事のように思える。

今回の円高の原因、起因は何かの議論は、政府のほうから聞こえてこない。

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エコノミストの記事は、Race to the bottomとなっていて、ドル、円、ユーロがそろって錘を手にして海に飛び込まんとしている絵が付いている。

この意味することは、私の理解では、この3通貨はすべて安くなる理由こそあれ、高くなる理由がない、と言うことだ。

それは、それぞれの国、地域の今の経済、財政状況を見ればわかる。

ヨーロッパは緊縮財政に走ろうとしている。米国は、雇用が改善せず、景気刺激をまたしなければならない。

日本は、ご覧のとうり政局遊びで、円だけが買われるというのは、どう考えても、世界で遊んでいる金、運用先を求めているカネが、一時的に回ってきた、と言うことではないのかと思う。

今回の円高は、米国が持ち直さない限り、止まらないという議論を見る。私には、それが正しい、正しくないなど言う、資格、知識はないが、十分ありそうなことだ。

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余計なことかも知れないが、エコノミストという雑誌は、世界の大統領、総理、中央銀行、政府高官、大銀行のトップの執務机の上に載る。通貨当局者、証券会社ももちろん、購読している筈だ。

記事の中に、不都合なことが書いてあれば、しかるべき高官が反論を寄せる。コメント欄を読んだが、あまり参考になるコメントはない。たった11しか無かった。もし反論が、あれば、Lettersというところにあるはずだ。残念ながら、最近はこの欄は読んでいないのでなんとも,言えない。

もし反論らしい反論が、日本を含めて当局者にないとすれば、この記事は、 “不都合な真実”なので黙殺されたのかも知れない。

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市場介入と言っても日本単独でやっても、効果は限られる。

米国、ヨーロッパは、日本は、米国、ヨーロッパの政府と交渉するのだろうが、肝心の財務大臣が会議に臨んで、“Hajimemashite、How do you do, everybody.”で勤まるのだろうか。

まったく消化に悪いことばかり。

日銀総裁は、実質実効為替レートを自分のところで作成しているわけだから、金融緩和策が,“実効“が、無いことをよくよく承知しているに違いない。

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Race to the bottom

http://www.economist.com/node/16792926?story_id=16792926

図録 実効為替レート

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5072.html

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I Watanabe


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