消化し易い、為替レートと消化し難い為替レート-3 [軽井沢だより]
実質実効為替レート
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この円高のときに、それほどでもない、本来もっと早くから円は高い評価がされるべきだったのだ、という意見を言ったら、袋叩きに会うだろうか。
これに近い意見が、載っている エコノミストの記事に遭遇した。グラフがついていて、real effective exchange rateとなっている。ソースはIMF。恥ずかしながら、こういう為替レートは、今まで知らなかった。.
記事は、これを見れば、日本円は、過去4,5年円安で、今の円高は、それを修正しているに過ぎない、と言っているように理解した。
実質実効為替レートとは、一体何なのか。
円が高い、と言うのは当然何かと比較して高い、低いを言うのだが、ある時点の円レートと比較する。それを2005年とする。
この時点で、円がドルに対しての価値を購買力で比較するには、日米双方の物価指数を考える。米国ではインフレで率が5%、日本ではデフレでー5%とすると、物価を考慮すると米ドルは1年経つと5%減価するし、日本円は5%価値が上がる。これは、円はドルに対して、1.05/0.95=1.105だから10.5%高いレートでなければならない。.この時点で相場が100円が1ドルなら、実質実効為替レートは、1.105ドルとなる。
実質実効レートで、考慮するもう一つの重要な点は、輸出の相手先を、一国に限らない。日銀の数字は15カ国を考慮に入れる。2005年、日本輸出総額に占める対輸出国の割合は:
アメリカ 25.8%、
中国 15.4%,
ユーロ圏 12.3%、
韓国 9.0%、
台湾 8.4%、
タイ 4.3% 以下略
だった。
これらの国との毎日の市場為替レートを、幾何平均し、輸出国の割合を加重平均して算出する。そして、2005年を基準年として、レート100として、その前後の毎月のレートを、算出してゆく。これを各国の中央銀行が行っている。国際決済銀行のサイトに各国の結果がexcel formatでダウンロードできるようになっているのは、確認した。
以上の説明では、物価指数を考慮することを先にしたが、実効の本来の意味は、輸出国相手の輸出総額が、実効の意味で、物価指数は、このレート指数が実質か、名目かを、言うものと思う。
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I. Watanabe
I. Watanabeさん 分かり易い解説です。多謝。
by ぼくあずさ (2010-09-11 08:06)