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米山奨学制度 [ロータリアンの私]

米山奨学制度については、関係者以外にはあまり知られていないと思いますが、日本最大の民間奨学金制度です。東京ロータリークラブの創設者の米山梅吉氏の名前を冠しています。支給対象者は日本の大学・大学院に通う留学生です。年間奨学事業総額は14億円、受給学生数は約850名です。事業はロータリアンの寄付により賄われ、運営もロータリークラブで行っております。運営経費は殆ど掛からず、事業経費の殆どが奨学金に使われます。もう一つの大きな特徴は、クラブのメンバーの一人がカウンセラーとなり留学生のカウンセリングをして、クラブ全体がお世話をすることです。

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この奨学金制度は、昭和27年に東京ロータリークラブにより設立されました。昭和27年と言うと私が中学2年の時です。あずささんとも遊んでいた頃でもあります。私の家は東京の谷中にありましたので、学校へは徒歩通学をしていました。途中に団子坂があり、上る途中の左手に空襲で焼け焦げたビルが立ち、異様な雰囲気を醸していました。未だ敗戦から立ち直ることが出来ず、食料も十分に供給されていなかった時代です。日本にも奨学金を求める苦学生が多かった筈です。そんな時代に主に東南アジアからの留学生に奨学金を差し上げる制度を作ったのです。戦争で大変な被害を与えた国々の方々に、日本国民は再び戦争を起こすような国民ではなく、平和を希求する国民であることを理解していただき、将来は受給者の母国と日本の架け橋に成って頂く、延いては世界平和の達成に貢献して頂くことを目的としています。この奨学金制度は、その後大いに発展して現在まで受給奨学生の総数は1万5千人になりました。

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受給生の方の中には帰国後、自国で政界、財界、学界にて成功されておられる方もおられます。日本とその国の架け橋となって活躍されている方を多く輩出しています。私は、苦しい中この様な大きな将来展望を持った奨学金制度を作った東京RCの当時のメンバーの方々、それを育てた日本全国のRCのメンバーに誇りを持っています。私も微力ながら、昨年は中国からの留学生のカウンセラーを勤めました。                      

rotaryclub.JPG今年は、ベトナムからの留学生のカウンセラーを勤めることになりました。受給生は福井大学に通うグエンさんです。グエンと言う名前はベトナム戦争の時に良く聞きましたが、ベトナム人の40%がグエンだそうです。今年は当2650地区(京都、奈良、滋賀、福井)で35名の奨学生を選考させてもらいました。先日、4月26日に京都にてオリエンテーション及び歓迎会が催され、奨学生、カウンセラー、大学の関係者等約100人が集いました。 

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この歓迎会では、受給生全員に1分間スピーチをして頂くことになっています。感謝の言葉と、将来の夢を語るこのスピーチには感動と元気を貰います。この前のオリエンテーションの時に受給生の中で成功された方の例がVDVにて紹介されたのですが、今年は、モンゴルの方で帰国後高校を設立された方の例がその中にありました。学業の他に日本の文化の紹介もしてくれているようす。学生が課外活動で剣道(相撲ではありませんでした)をしている場面がありました。今年もモンゴルからの受給生が2-3人おられました。その中の一人が朝青龍にそっくりなのでびっくりしました、彼は何とその高校の卒業生だそうで再びびっくりしました。余計なことですが、朝青龍はロータリアンではありません。しかし、日本で稼いだお金は、自分の利益を優先させる事業でなく、モンゴルの国民の為になる事業に投資して頂きたいと思いました。願わくは、モンゴル-日本の親善増進の為にも。

2010-04-28 高山武久


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ぼくあずさ

フルブライトで米国留学した話は聞いたことがありますが、米山奨学制度は知りませんでした。若いころの外国留学は人生を豊かにすると思います。JRCはnet利用の広報活動をしているのでしょうか。
by ぼくあずさ (2010-04-28 16:10) 

村尾鐵男

私が親しかったインドネシア・ガルーダ航空の技術部長はスマトラの出身ですが、戦時中、日本軍が各地に開いた小学校で文字の読み書きと四則演算を教えてもらい、初めて勉強することの楽しさを知り、今日あるは日本のお陰であると言っておりました。
開発途上国の学生に勉学の機会を与えることは崇高な事業であり、長い先を見た外交でもあります。
高山氏の地味な努力が如何に大きな効果を生むか、計り知れぬものがあり、長く続けられるようお願い致します。
by 村尾鐵男 (2010-04-28 18:40) 

Takehisa Takayama

ぼくあずささん、村尾さんコメントありがとうございます。多くのクラブがホームページを持ています。その中で色々な活動報告をしていますが、どの程度のアクセスがあるか不明です。米山も創設以来40年を超えましたが、今回のモンゴルの例のように2nd or3rd Generation が出てきています。勇気付けられます。
by Takehisa Takayama (2010-04-29 10:17) 

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