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アメリカ留学時代:1957年製アメリカンフォード(4) [安曇野だより]

                                                                                  ・・・・・下山成人記「俺が運転する」と言って我がぼろ車を彼が運転してスポケーンに向かったのだがその運転のすさまじいこと。途中スポケーンに大分近づいたころ国道横の傾斜のついた土手道を車が傾いた状態でびゅんびゅんとばすのである。怖かった。きっと事故を起こして車が大破すると思った。夕暮れ時で真っ赤な大きな太陽が車と一緒に追っかけて来るのが目に入った。これがこの世で見る最後の光景だと思った。 

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こんな思いをして到着したスポケーンであったが彼女への電話説得は功を奏さなかった。その日は静かな湖の近くのモテルに一泊した。翌日になって李さんが「俺は彼女を説得するためもう一泊する」と言い出した。私は考えた。説得に失敗したら気性の激しい李さんはますます無茶苦茶な運転をするに違いない。もうこれ以上彼に付き合うのは身の危険を感じる。私はどうしても今日シアトルに戻らねばならない用事があると言って一人先にバスで戻ることにした。 

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数日後李さんがシアトルに戻ってきた時もう我が愛車フォードは一緒でなかった。帰路事故を起こし大破したのでジャンクヤードに18ドルで売ってきたと言って私に18ドル手渡した。我が愛車を失くした悲しみより生きていられたことを神に感謝した。


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