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アメリカ留学時代:1957年製アメリカンフォード(2) [安曇野だより]

                                                                                   ・・・・・下山成人記アメリカはまさに合衆国で州によって法律も異なりワシントン州は車検の制度がなかったのである。そんなわけで古い車も多く走っていた。アメリカ人の一人の友人は1936年製のアンティーク車に乗っていた。しかしながら私の1957年製フォードほどのぼろ車はあまりお目にかかったことがない。ある時飛行場へ人を迎えに行った帰りのハイウエーでのこと。突然風にあおられてボネットが跳ね上がり前方の視界が遮られた。後ろを見るとほとんど同時にトランクルームの覆いも持ち上がり後方の視界も遮られた。まったくのメクラ状態になった。幸い交通量の少ない時間帯であったので何とか停止して事なきを得たがこんな恐ろしい思いをしたことはない。よくクラスの友人に「昨日僕のうちのそばを通っただろう。あんなけたたましい音を出して走る車は君のしかないからな」と言われる。 

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こんな車でも冬にはよく夕食後皿洗いを済ませて60マイルほど離れたスキー場に出かけた。途中の山道で周りの林がぱっつぱっつと明るくなる。自分の車がマフラーから火を噴いてその光に照らされて周りが昼間のように明るくなっていたのである。そのことを知った担当教授から呼び出しがかかった。「火を吐いて走るのは大変に危険だ」と言うのである。今考えると本当によく事故を起こさなかったものと思いぞっとするがその後マフラーを直した記憶はない。 

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ある時スキーに行った帰り道そろそろ雪道用チェ-ンをはずしてもよかろうと思いチェ-ンをはずした。そこから1キロも走らぬところでスリップを起こし車体が180度回転し後続車と正面衝突をした。この時もたいした事故にならなかったのは只運が良かったとしか考えられない。こんなぼろ車でも結構良く走ってくれた。2年間程乗っていたがエンジンが故障したのは一度だけ。日本で乗っていたダットサンと同じようにシリンダーの一つが壊れたのだ。シリンダーのライナーを取り替えるだけでOKだった。

(3)に続く


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