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安曇野と私(3) [安曇野だより]

10年ほど経った頃、海外留学から戻って新婚生活を送っていた東京の私のもとに突然和尚が訪れた。「有明村が中房から温泉を引いて別荘地開発公社を作ったのだが私も理事にさせられた。いい場所だから是非買っておくといい」と言う。実は私が海外留学する直前にこの和尚から寺の周りの土地を買っておくとよいぞと勧められたことがあった。当時坪200円であったが和尚は「今は未だ一般に知られていないがこの先に黒部ダムと言うのが出来るらしい。出来ることが知れわたってからでは土地の値段が上がってしまう」と言うのである。言ってみれば株で言うインサイダー取引のようなものである。私も有明は好きになっていたので買っておきたいと思った。只、アメリカに旅立つ直前の話だったので親父に頼んだ。親父も話にのってくれたのであったが仕事が忙しく買おうとした時には既に土地は値上がりしていたそうでこの話はそこでお終りになっていた。 

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結婚前山好きの家内にいつか山の近くに家を持って見せると空約束をしていたこと、そして別荘地の販売価格を聞くと無理して買えない事もない程度であったので120坪ほどの温泉つき土地を買うことにした。今から35年ほど前のことである。当時は中央高速も関越道もなかったので訪れるのが大変であったが今では高速道路のおかげで3時間少々で行ける。冬はスキー、春は里山歩き、夏は川遊びそして秋は栗拾いや紅葉を楽しめるので一年中行ったり来たりしている。ちなみに正真院の方は件の和尚のお孫さんが立派な住職となり寺を切り盛りしている。

                                                                                   ・・・・・下山成人記


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