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安曇野と私(2) [安曇野だより]

一週間ぐらいは驚くことが多くて一日も早く逃げ出したい気持ちであったが不思議なことにだんだんとこの和尚の魅力に惹かれていくのであった。所詮人生なんてえもんはなるようにしかならないのだからじたばたしてもしょうがない。 簡単に言えば「自然に任せて生きよ」と言うのがこの和尚の生き方であったのである。 

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結局私と友人は2週間程この寺の世話になった。最後の晩には送別会だと言って我々のためにすき焼きパーティーを開いてくれた。酒がどんどん振舞われ私と友人は酔いつぶれて寝てしまった。翌朝のことである。住職の奥さんが我々のところに来て言うではないか。「方丈さん(奥さんはいつも和尚のことをこう呼んでいた)があれから田舎芸者の所へ行ってしまい戻ってこないの。二人で迎えに行ってくれないかしら。」奥さんに描いてもらった地図を頼りに私と友人は田舎芸者の住みかを尋ねた。雨戸が閉まっていた。戸を叩くと目をこすりながら和尚が姿を現した。まだ酔いが醒めていないようである。「俺は何も悪いことはしておらんぞ」と言うと又引き込んでしまった。大した和尚である。 

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この和尚との話はその後フランスの女流作家グン・ニーベリさんやアメリカ神学校の牧師の卵ノーマン・アラーズ君を連れて訪れた際の禅の珍問答や珍騒動やらいろいろあるのだがそれらの話は又と言うことにして話を先に進める。

                                                                                  ・・・・・下山成人記

(3)に続く


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